「しっかり踊ってしっかり歌う」 モーニング娘。’19がロックフェスで発見された唯一つの理由|大塚ナギサ

では、なぜモーニング娘。は世間にアピールしなかったのか? その答えは分かりませんが、あまりに愚直にパフォーマンスを磨き続けているがゆえ、現在のパフォーマンスのレベルにまったく満足できず、「こんなもんじゃ世間にアピールすべきではない」と判断したのではないか……とさえ思えてきます。あるいは、ただただパフォーマンスを洗練することだけに打ち込みすぎた結果、音楽シーンや世間がまったく視界に入ってこなくなり、自らの価値を見失ってしまったのではないか……そんな妄想すら湧いてきます。どう考えても、出るところに出れば、一発で“発見される”のに!

ここ何年もモーニング娘。が発見されずにいたことは、たしかにもったいないことなのかもしれませんが、発見されなかった時間の中でライブパフォーマンスのクオリティーが青天井に高くなっていったのも事実。そして、ついには発見されてしまったのだから、あとはもう多くの人々を巻き込んで、その魅力を発散し続けるだけ。RIJFで発見された以上、「今のモーニング娘。は知らない」というのは単なる時代遅れの唾棄すべき言葉でしかないし、「モーニング娘。のパフォーマンスはすごい」ということは大前提にして何の問題もないということです。

そして、メディア戦略などのカラクリの中で発見されたのではなく、ただただ愚直にパフォーマンスを磨き続けた結果、その評価を勝ち取ったという事実は、間違いなくメンバーたちの自信となるはず。さらには、その自信がより素晴らしいモノを生み出してくるであろうことに期待せずにはいられません。

RIJFにおけるモーニング娘。やアンジュルム、Juice=Juiceのパフォーマンスに対する高い評価について、「何を今さら発見してくれてんだよ」という感想を抱いているハロヲタは少なくないでしょう。そりゃあもう、何年もすごいパフォーマンスをし続けているんだし、RIJFで見せたパフォーマンス以上のモノが通常のコンサートで観られるんですから、ハロヲタがそう思うのは当然です。

渋谷社長はRIJFのモーニング娘。を「いつも通り」と表現しましたが、いつものモーニング娘。やハロー!プロジェクトは、はっきり言ってRIJFのそれよりもすごい。近い将来、この事実が発見されることでしょう。(文◎大塚ナギサ)

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