【追悼再掲】口腔底がん余命三年宣告でもオイラは歌う! 壮絶『オナニーマシーン』イノマーの言葉を聞け|暴走対談


「今日のインタビューが最後とは思っていないから」(平野)

平野:その苦闘の中で絶対に生還してやるぜっていう意志と気力はある?

イノマー:もちろん。だから受け流した先には生きるっていうこと、歌うっていうことが待ってるんじゃないか? って思い、希望がある。

平野:ラ・ママのライブは1時間半もやってしまって予定オーバーしたらしいけど、終わった時の感覚ってやりきったと言う充実感?

イノマー:あんとき何だろうな……普通でしたね(笑)。あ、でも舌があってちゃんと歌えるライブはこれが最後でこれからは違うやり方、新しいことをやっていくんだなぁって思ったぐらいで。

平野:いいぞいいぞ、舌がなくても歌うぜという一心不乱の姿勢。僕はラ・ママのライブで客が250人集まって募金も63万集まって、あんたを見たいっていう客が列を作ってたというのがすごい衝撃で。そこで多くの観客はこれが最後だからとか、せっかくだからとか、そういう感じで見てるのがすごく嫌ってるという感じをイノマーの書き込みの中から受けたんですけども。最後だからって言われたら冗談じゃないよなと言う気持ちがあった。

イノマー:そうですね。

平野:俺だって今日のインタビューが最後だとは思ってないからね。これでイノマーの音楽を聴くのは最後だからとか思って会場に来られたら辛いよな。

イノマー:でもそれも受け流す精神だからそういう人もいるし、そうじゃない人もいるってとこはありますね。ただ、哀れに思われたくないってのはあります。それだけが一番嫌だから。その為にオイラはもっと強くならなきゃいけないんだなっていうのはあります。

平野:ラ・ママのライブが終わった後の充実感っていうのは、俺は終わっていない、生きてるぞとか、冗談じゃないぞ死んでたまるかって感覚になりました?

イノマー:次の日がソフトオンデマンドでAVの撮影だったんで死ねないな、っ て(笑)。
(※筆談『SOD AVのさつえい』)

あ、女子社員ものだ! これがあったからそのことをずっと考えてた。あんまり感慨深いというのはなかった。でも、楽しかったですよ、楽しかったほんとその日のライブは。やって良かったと思うし、すごい良いライブができたと思いますよ 。

「めんどくさいですよ、こんな身体」(イノマー)

平野:病棟生活の話に入るんですけども、基本的にイノマーは明るく楽しく前向きにが基本と書いている。まあこれは誰でもいう話しだよな。

イノマー:まだ舌を切ってからライブをしたことがないのでそれはどうなるかさっぱりわからないッスけど。

平野:大阪ファンダンゴは10日だっけ?

イノマー:自分でもまったくどうなるかわかんない。

平野:ガガガSPとやるんでしょ?

イノマー:そうですね、大阪はガガガで。新宿は峯田くんとハルさん。

平野:東京は銀杏BOYZじゃなくて峯田が出てきて一緒に演奏するってこと?

イノマー:一応アコースティックで。

平野:イノマーが書いている。「そうか。これから長い壮絶な戦いなのだ。めんどくさいことになった。」これを言えるのはすごいな。癌と戦うのはめんどくさいって。

イノマー:いや、ぶっちゃけめんどくさいですよ。こんな体(笑)。ヤんなっちゃいますもん。大人しくリハビリに専念するわけにもいかないし。何もやらないでじっとしてらんないですもん。

平野:そらそうだよ。全国で癌と闘っている人も見ているし。

イノマー:でも、イノマーやるからにはしょうがないのかなと思って。だから死ぬまでイノマーやっていくしかないから。なんでもいいですよって。なんでもやりますんで、って。でも痛いのはやだ。
(※筆談『痛いのはやだ。』)


イノマー自筆

平野:ははは! これいいですね。

イノマー:だって舌を切って、お腹の肉を切って舌にしたんですよ。お医者さん10人で10時間の手術。
(※筆談『10人 10時間』)

ソフトオンデマンドのAVタイトルみたい(笑)。いや、だけど、こんなの地獄ですよ。

平野:でもあんた麻酔で寝てんだろ?

イノマー:そうそうそう! 一同:笑

平野:それは麻酔が覚めて起きてから地獄って感じになるわけ?

イノマー:起きてからのICU! 10日間!
(※筆談『ICU→10日』)
これはもうここはひどい! 最低! ここは味わった人じゃないとわからないと思う。人間墓場。二度と行きたくない。

平野:手術する医者連中どんな感じなの。

イノマー:ようは実験室ですよ。
(※筆談『実験室』)

イノマー:人体実験室。ほんとそうですよ。多分人死んでますよ、わかんないだけで。人、死んでる。そういうとこ。恐ろしいよ、わかんないもん人死んだ ってあそこ。それしんどかったですね。

 

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