【追悼再掲】口腔底がん余命三年宣告でもオイラは歌う! 壮絶『オナニーマシーン』イノマーの言葉を聞け|暴走対談
平野:パンクとしてのオナマシのメッセージ。何点か拾い上げてみたんですけども、 「モテない悲哀。人生を恨むのではなく、それはポジティブに楽しむ内容」これはどういう? これはモテない人の悲哀を非モテ同盟みたいなもんだよな。こういうこと書いてるんだよ? これはモテないことを楽しめって意味ですか?
イノマー:オナニーマシーンの活動の根底にあるのは学校でモテないイケてない童貞、男子生徒の心の叫びですから。「ヤリてーーー」っていう。でも、いざ、実際にそういうシチュエーションになるのが何より恐い臆病者。セックスが恐いからオナニーに逃げるっていう。
平野:「10年前に作ったソーシキはまさに今日のための歌である」 「ソーシキ」はすごい内容、すごい話だなって。これ今書いたのかと思ったら10年前に書いてるっていうのがちょっと面白かった。
イノマー:10年以上も前の話ですからね(笑)。なんだろな……でも、それも ラブソングで……。これって一応、クリスマスソングなんですよ。
平野:「ソーシキ」がクリスマスソングなの?
イノマー:天国か地獄かわかんないけど、クリスマスの夜に雪が見たいって言 ってた女のコのために、あの世でオナニーをして、白いザーメンをクリスマス に降らせるっていう。ロマンスの神様的な。アルペン?(筆談『天国 地獄 あの世でオナニーをして白いザーメンを Xmas 降らせる 』)
そういうラブソングだったんです、オイラとしては。
平野:ここまで過激なイノマーさんのバンドなんだけども、俺たちがパンク全盛期の時に見た遠藤ミチロウみたいにステージで女性客にフェラチオさせるとか、ブタの臓物ばらまくとか、自殺未遂するとか、そんなことやる気はないのかもしれないけど。
イノマー:それは、どうしてもお客さんとの距離感かもしれないですね。
平野:距離感か。あの時はね、お客が熱中、もう興奮しちゃって目こんななってステージにしがみつくそういう時代だったよね。パンクの走りだよね。ハードコアじゃなくて、パンクの走り。イノマーさんはそれやんないなって。今そういうことやれるバンドはないか。「I♡オナニー、オナニーが好きなんです」ってのもさっき言ったみたいに受け流しというかお客さんと距離を置くための言葉。
イノマー:そういうのあるのかもしれないですね。無意識かもしれない。
平野:まあ、あんたのやってるのはほとんど放送禁止確実。
イノマー:そこも意識してないんですよね。
平野:意識してない? どうっすか、ロフトレコード幹部。
スタッフ:武道館でフライヤーが配れなかった。
イノマー:不可抗力です。でもオナニーマシーンなんてバンドをやってると、いろんなことがありますどうしても。でもそれもいちいち怒ってたらキリがない のでやっぱ全部受け流す。
「受け流す術はオリコンから学んだ、感謝しています」(イノマー)
イノマー:これはすごいカッコ悪い話かもしれないけど、でかいと思う 。会社員をやった実績(笑)。編集長って色々あるじゃないですか? 特にオリコンなんて「Thats芸能界」なんで。その中でやっていいこと、悪いことってすごいあるわけで。自分の哲学とか捨て去って、受け流していかないと雑誌なんか作れないんですよね。だから、オリコンでオイラは学んだと思いますね。社長に教えてもらったし、オリコンには感謝してる。
平野:オナマシの親友バンド、銀杏BOYZ、ガガガSP、サンボとかどこで出会ったの? 峯田とは?