『ノストラダムスの大予言』時代はなんと平和だったのか! コロナ騒動を「予言していた!」と言い出す者に今後は要注意|中川淳一郎

そして、予想するが、今後、ネットの愉快犯が過去の文献を引っ張り出して「年は2019と11ヶ月、中国に端を発する恐怖の大王が世界を襲う」というといった説を発見! などと言い出すことだろう。コロナウイルスの出現を予想していた、と解釈できる何らかの過去の出版物が取沙汰されることとなる。すでに一部出ているが、ノストラダムス的解釈を強引にする人物が出るかもしれない。

或いは、東日本大震災の時、すでに震災をブログで予言していたと騒がれた占い師の松原照子がいたが、結局あれは震災後にブログの日付を前に設定しただけのもの。今ではこの女は講演等で大忙し。こいつがまた何かやりかさなければいいのだが……。そしてバカな信者が余計なお布施をしなければいい。

それにしても「2000年問題」って一体なんだったんだろう。世界中のコンピュータシステムが一斉に混乱に陥り、生活がハチャメチャになる、といった説だったため、各社のシステム担当は1999年12月31日にも出社を余儀なくされた。毎年年末年始はNTTに勤める友人と一緒にスノーボードをして過ごしていた。通常12月28日あたりには宮城・蔵王まで行っていたのだが、この日は彼が1月1日を会社で迎えなくてはいけないため、出発を延期し、彼の会社前で車を停めて待っていたことを思い出す。

0時30分頃、彼は出てきて「なんかあったか?」「何もなかったよ」という結果だったが、世界が終わるはずだった1999年がいかに平和だったかを今になって思い返す。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)

 

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