『ノストラダムスの大予言』時代はなんと平和だったのか! コロナ騒動を「予言していた!」と言い出す者に今後は要注意|中川淳一郎
今、編集者になったので分かるのだが、編集部が「この中に宇宙人が混じってます!」と言いたいのではなく、あくまでも日常的な人が集まる風景を見せて「この中にいるかもしれないですよね~。決してありえないことではないですよね~」と書いているだけなのは今は分かる。だが、私は必死になって写真に写る人間の中で耳が尖っていたりするヤツがいるかなどをじっくりと眺め、宇宙人を特定しようとしてしまった。
下手すりゃ編集部に電話をかけていたかもしれないが、しなくて良かった。この写真を見て以来、私はサンシャインがある池袋という街が怖くなってしまった。「あそこには宇宙人がいるから行きたくない」なんて言っており、池袋に初めて行ったのは2003年、29歳の時だった。取材で片桐仁さんと一緒にサンシャイン60の屋上に上ったのだ。
こうした純粋な少年少女の心に恐怖を与えたノストラダムスの予言だが、なんだかんだいって1999年7月に入ったその日、会う人会う人がノストラダムスの話をしていた。会話は大抵こんな感じになる。
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私:いよいよ1999年7の月に入りましたね……。
相手:そうですね。いや、まさか、とは思うけど……。
私:そうなんですよ。あんなもん嘘だって分かってるけど、どこかで「本当にあるのでは」なんて思ってしまうんですよね。
相手:恐怖の大王とか、アンゴルモアの大王とかもう恐ろしくて仕方がなかったですよね。
私:そろそろ第3次世界大戦があってもおかしくないですしね。
こうした話をいい年した大人が取引先などともやっていたのである。結果的に我々は無事1999年8月1日を迎えられたが、時は2020年、今はコロナの災害は「恐怖の大王」といえるものだろう。