自称天才編集者・箕輪厚介氏のセクハラ・パワハラメッセージを解読 女性ライターは必死に抵抗していた|能町みね子

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天才編集者が恋愛・性愛じみた関係を求めてきたとき

箕輪厚介がついにボロを出したか。――幻冬舎の自称「天才編集者」・箕輪厚介のセクハラ・パワハラ報道を知ったときの率直な感想は、これだった。私は報道を読んで、箕輪氏本人に対して「やっぱりな!!」という気分になってしまったため、つい流出した彼のひどいFacebookメッセンジャーの文章を茶化すようなことをツイッターに書いてしまった。この点については反省している。茶化してネタにするような話ではなく、これは権力を利用した悪質なハラスメントであった。

決して有名ではないと思われるライター女性Aさんに対し、箕輪氏は原稿を生かすも殺すも可能な有名編集者という立場である。

彼はAさんに対し、敬語すら使っていない。箕輪氏とAさんは仕事を発注・受注する関係であるはずなのに、当たり前のように指導者的な立ち位置につこうとしており、意識的に主・従の関係を作っていたことが見て取れる。Aさんの立場としては、彼の機嫌を損ねれば仕事がなくなりかねないし、そうなればクライアントである松浦勝人氏にも迷惑がかかってしまう。こんな状況のなかで、家に訪問することを求められたり、性的接触を求められたりしたわけである。

文春オンラインの報道では、箕輪氏とAさんのメッセージが詳細に暴露されている。一見、Aさんもくだけた感じで応対しているため、「かなり親密なのでは」「心を開いて受け入れているのでは」と思う人もいるかもしれない。しかし、私はこれについて明確に否定してみようと思い、この原稿を書いている。