自称天才編集者・箕輪厚介氏のセクハラ・パワハラメッセージを解読 女性ライターは必死に抵抗していた|能町みね子

箕輪「でもキスしたい」

A「〆切ました」「ボディを使うコミュニケーションは、〆切ました。。」「処女にもどりそうです」

具体的にキスしたいとまで言われて不快さが募り、Aさんはさすがにしっかり断ろうと思うが、ここに及んでも少し表現をユーモラスにして相手を傷つけないよう、自虐の雰囲気を強く織り込みながら返事をしている。

――このように、私から見ればAさんは最初から最後まで、ずっとずっとずーっっっと断っているのだが、コミュニケーションが断絶している。セクハラもパワハラも社会人として論外なのだが、箕輪氏はこのメッセージを経ても「Aさんに家に誘われた」と本気で思いこんでいるのかもしれない。こういった会話の真意を読み込めないことも編集者として致命的ではないかと思う。

また、5月19日に箕輪氏は「トラップ。よろしくお願いします。」と、ハニートラップであることを仄めかすようなツイートもしている(のちに消去)が、そもそも既婚者である彼が独身女性の家に行きたいとしつこく言いつづけた証拠はメッセージに残っており、無茶な論理である。

 

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自著『死ぬこと以外かすり傷』のタイトルは初出ではない疑惑も

なお、箕輪氏の自伝的著書でありキャッチフレーズとなっている「死ぬこと以外かすり傷」は、少し検索すると、マルチ商法やネットワークビジネス界隈でさかんに言われている言葉であることが分かる(少なくとも箕輪氏が初出ではない)。

知人の協力も含めて調べた結果、この言葉は、おそらくボートレーサーのビル・マンシーの名言“We figure anything less than death is a minor accident”を、実業家・ロッキー青木が著書『人生死ぬまで挑戦だ』(1989)にて「死ぬこと以外は軽傷である」と訳したのが初出であろうと思われる。ロッキー青木氏はネットワークビジネスにも深く関わっていたため、その後その界隈で広まるなかで「かすり傷」という言葉に変わっていったのだろう。

箕輪氏本人は格闘家の青木真也からもらった言葉だと別の場所で説明しているが、なんと自身の著書にはその説明さえも存在しない。この言葉に著作権があるわけではなかろうが、自身のキャッチフレーズの言葉がそもそもオリジナルのものでないうえに、その出典すら調べていないというところに彼の仕事のいい加減さがよく現れている。(文◎能町みね子 一部敬称略)

 

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