「嘱託殺人」の結末 彼女の首を絞めている内に音が聞こえなくなり… “添い寝”店で出会った二人に訪れた別れのとき|裁判傍聴
「首を絞めてる間、水中にいるような感覚で、周りの音が何も聞こえなくなりました」
どれぐらいの時間、首を絞めていたのかはわかりません。そう長い時間ではなかったはずです。
「我に帰ったきっかけはわかりません。耳に詰まってたものが急に抜けたような感覚というか…。空調の音がまた聞こえてきて、パッと被害者の顔を見たら舌が唇の上に乗っていて顔色も真っ白で…『何てことしてるんだ』って思って、やめました」
首を絞めるのをやめると、美和はしばらく咳き込んでいましたが、やがて大声で泣き叫びはじめました。
「どうして殺してくれなかったの!」
彼女には謝ることしかできませんでした。
「ごめんね、もうこれ以上できない」
泣き叫ぶ美和をなだめ、風呂に入れて温かい飲み物を飲ませて落ち着かせてから、彼女は共通の友人に連絡して美和を任せ、その場を去りました。119番に電話しようとも提案しましたが、それは美和が、
「絶対呼ばないで!」
と拒否しました。
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