発泡酒の税率がビールと同じになる? ビールの種類の豊富さにワクワクした平成初期はいずこへ|中川淳一郎

だからこそ、今でも時々スーパードライが春になると桜の花を基調としたパッケージを出したりするとついつい買ってしまう。ビールは嗜好品なのだからこれでいいのである。

それにしても、昨今ビールのCMが社会的に話題にならないのは悲しさがある。サッポロ黒ラベルが豊川悦司と山崎努が「温泉卓球」などで対決をし「Love? Beer?」のコピーが出るCMをあまりにも2000年の箱根駅伝で見た時は衝撃的だった。その後もBBQなどで2人が対決したが、これを機に「イケメン枠」だったトヨエツがコメディもできる俳優になったと感じている。

他にも、和久井映見と萩原健一が登場したサントリー「モルツ」の「うまいんだな、これが」や、蓮舫らによる「結局、飲んでる 黒ラベル」ととんねるずの「大人になったら、黒ラベル。」も印象深い。役所広司が旬の食材と一番搾りを合わせるバージョンや、緒形拳が「ビールって、うまいよね」と幸せそうな表情を見せるCMも思い出す中高年は多いのでは。

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とにかく発泡酒や「第3のビール(新ジャンル)」が出る前のビールは税率の安さよりは、楽しそうでおいしそうなビールを求める風潮があった。ハズれは多かったものの、サントリーが1994年に税率が安い発泡酒の「HOP’s」を法の抜け道的に出して以来、完全に価格競争になっていった。

今やこれらの方が口に合う人も多いのだろうが、私のようなオッサンからすれば、ビールとはまったく異なるもの。