発泡酒の税率がビールと同じになる? ビールの種類の豊富さにワクワクした平成初期はいずこへ|中川淳一郎

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平成初期(1990年代)で思い出すのが「やたらとビールの種類が多かった」ということである。季節限定ビールならまだしも「状況に合わせたビール」まで登場していたのだ!

今でも「秋味」(キリン)や「冬物語」(サッポロ)など、季節限定の定番ビールはあるが、思い出すだけでもこれだけある。キリンの場合は「冬仕立て」「春咲き生ビール」「太陽と風のビール」などがあり、サントリーは「鍋の季節の生ビール」「秋が香る生ビール」などがあった。アサヒの「黒生」がヒットした後は、キリンが「ハーフ&ハーフ」を出すなどした。サッポロは「気分爽快生ビール」という何がしたいのかよく分からないビールも発売した。

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芸能人と紐づいたビールも多かった。いずれもCMを大量に出稿していた。

焙煎生ビール(サッポロ):織田裕二
Z(アサヒ):ビートたけし、森高千里(別の年)
ダブル酵母生ビール(アサヒ):米米CLUB

こうした商品がコンビニやスーパーに並ぶ度に「よし、試してみよう!」と思うものの、20代前半の私にとっては「違いがよく分からん……」といった状況になりがちだった。まぁ、当時は酔っぱらえれば良かったのだろう。だが、パッケージが違うビールを飲むことの楽しさは毎度あった。