総合格闘家平本蓮選手の矜持 「次の相手」「朝倉未来選手」「ブレイキングダウン」について
平本選手 はい、こんなんで驚いていたら身が持たないでしょ。完成度でいえばまだ全然納得いかないレベルです。
――まだ(MMAを始めて)2年ぐらいですもんね。
平本選手 そうです。こんなので私を評価しないでください(笑)。
――この選手とやったら面白いな、みたいなイメージはあるんですか?
平本選手 斎藤裕(RIZIN初代フェザー級王者)とやったら面白いかなと思いました。2回ぐらい練習したことがあるんですけど、スパーリングはしたことないんで盛り上がる試合しませんか?っていう感じです。
――格闘技ファンが喜びそうなマッチメイクですね。
平本選手 そうですね、「本当の格闘技ファン」をメインに面白い試合を届けたいですね。
●プロ格闘家が無視するブレイキングダウンの話
――えーっと、ではそろそろBreakingDownの話をしていいですか?(笑)
平本選手 はい(笑)。
――僕は初め『ガチンコ!』(TBS系)の流れのバラエティ番組だと思っていました。なので興味はなかったのですが、観なければ批評もできないと思ったんで4回目あたりを課金して全部を観たんですよ。そしたら審査員席に放送作家さんがいらっしゃったんで「だよね。作家さんがいないと成り立たないよね。」と思いました。僕も10年くらい前から少しだけテレビに出ていたので大まかな台本があるとは推測します。で、前回、(BreakingDown6)にチンピラみたいな人がオーディションの時にパイプ椅子を投げて相手に怪我をさせたじゃないですか。台本にはなかったはずです。そうしたら武尊選手をはじめ、日本の格闘技を支えてきた選手たちが、一斉に批判ツイートをした。最近だとあまり攻撃的な言葉を発しない武田光司選手が「BreakingDownの人がRIZINに出たい」に対して「帰れよ」ってYouTubeで言っていました。
平本選手 とりあえず椅子でぶん殴ったヤツ、久保田でしたっけ? あいつはホントにバカなヤツだなと。「朝倉未来の1000万円オーディション」かなんかで出てきたと思うんですけど。多分あいつはBreakingDownを盛り上げてやろうっていう気持ちだったと思うんですよ。とりあえず乱闘起こせばバズッて自分が一番話題の試合になれるって勘違いした。小学校にいるじゃないですか、運動会とかで頑張ろうとして空回りして列を乱しちゃうヤツみたいな(笑)。でも、ヤツ自身は朝倉未来のために頑張ろうと思ってやったことが、結果としてどう考えてもやりすぎでしたよね。
――あれは僕ら一般メディアや新聞の社会部や週刊誌目線で言うと、犯罪に問われますよ。例えばやられたのが僕の友達とかだったらはっきり言って大事にします。やる気のある弁護士を何人かに動いてもらって、被害届を出させて映像も残っているので運営ごと提訴します。そのレベルです。ああいった傷害を甘くみてはいけません。さらに知り合いの記者やジャーナリストに呼びかけ記者会見などして、イベント自体を社会的な問題にしますけどね。だって、あれ間違って目にパイプ椅子が入ったら一生の怪我でしたよ。
平本選手 ホントに危ないし、たぶん朝倉未来とかに言いくるめられて、被害届も出さなかったんでしょうけど。「ガチンコファイトクラブ」って、当時は同じプロボクサーの人らが「ニセモノだよ」とか、ブチ切れていたと思うんですよ。でも当時はSNSがないから、ボクサーの声って届かないじゃないですか。でも今はSNSがあるから現役選手の不満を直に聞ける時代になった。
俺からしたら「ガチンコファイトクラブ」とやってることは変わらない。まあ、BreakingDownはなくなってほしいんですけど。何でなくなってほしいかというと、なくなったら朝倉未来とかが困りそうなのが面白いから(笑)。だからコンテンツとしてはどっちでもいいんですよね。ただBeakingDownに出ているような連中がRIZINの会場に来て、RIZINの選手以上に大きな顔をしているわけですよ。
―ーえ。プロよりも、ですか?(驚)
平本選手 そうです。BreakingDownの選手は痛いけど、他の総合格闘家たちも、「おまえらも胸張って堂々としろよ」と言いたいですね。BreakingDownに出れば再生回数が期待できますね。現に、朝倉未来にくっついてるヤツって再生回数欲がしいヤツだけじゃないですか。ぱんちゃん璃奈然り、昇侍然り、YA-MAN然り、白川陸斗とか、全員が朝倉未来を好きなんじゃなくて、朝倉未来の再生回数に依存して集まってる人たちなんです。それで構成されたのがBreakingDownって感じじゃないですか。そんなBreakingDownの再生回数を狙うんじゃなくて、変な話、格闘家がBreakingDownのヤツらにムカついてるんだったら試合会場で誰かに動画撮らせて、UFCファイターみたいにぶっ飛ばしちゃえばいいんですよ(註・眼が鋭くなりました)。
UFCだと試合会場でケンカしているじゃないですか。あんな感じでRIZINの会場でぶっ飛ばせばいいんですよ。で、動画撮ってTwitterに載せて「調子に乗ってるからぶっ飛ばしてきました」みたいな。あいつらも「一応」格闘家を謳っているんで。俺はやらないですけど誰かやってくれって思っています(笑)。
――何か、あの構図って「貧困ビジネス」を思い出しちゃったんですよね。
平本選手 ああ(うなずく)。
――つまりマネタイズ出来ている朝倉選手がいて、そこに現在不況の煽りを食っている若者が一発当ててやろうと群がる構図。これは政治が良くないのですけど、地方から出てきてお金がないから、じゃあBreakingDownに出て暴れて朝倉選手とコラボすればYouTube登録者数10万ぐらいいって、そうすると月収は一般のサラリーマンより上にいって、それでOKみたいなシステムが確立したのかなと。長くは続かないにせよ。
平本選手 いやホントに。
――そうじゃない人もいますよ、DEEPに2回ぐらい出ているような選手やプロはそこには入りませんけど。
平本選手 そんな出方してどうするの? と思うんですけどね。だったら俺みたいに真っ向から気持ち悪いって言っているほうがまだいいと思うんですよ。俺は朝倉未来を一番利用していますから(笑)。
――そうかもしれませんね(笑)。
平本選手 あの周りの金魚の糞になることしか脳がないヤツらより、俺が一番朝倉未来を利用して売名しているんで、おまえら俺を見習えよ、こうやって売名するんだぞって。でも売名売名言われても、知名度が大きくなれば売名じゃないですからね。世の中なんでもケンカ売って物語が始まるわけじゃないですか。売名なんて言っていたら一生ケンカなんて起きねえよっていう話で。だからあの周りはホントに胡散臭いというか。青汁王子(三崎優太氏)もくっついてきて。
――彼には判決が出ていましたね。日刊ゲンダイとの裁判で右翼を使ってライバル企業を脅したという報道が正しかったと(『「日刊ゲンダイ」が青汁王子との訴訟に勝訴 ライバル企業に右翼の街宣車は「真実」と認定』2022年7月14日より https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/308331) 反社絡みがPRIDEを見ても分かるように暴排条例後、一番興行側が気にしなくてはならないのですけれどね。ブレイキングダウンがさらに大きくなるようなら当局も週刊誌も目をつけると思います。
平本選手 あと、アウトサイダー勢とか今更呼んで絡んでて、いつまで同窓会やってんだよ、みたいな。
――まあ……(苦笑)。あのぐらいの年齢になると同窓会のような気分なのではないでしょうかね。それと、前回の大会後のインタビューで朝倉選手が「将来は東京ドームで」って言っていました。東京ドームを押さえるのってすごい大変なんだけどな、と思いました。「勝負論を求めたいから2月に自分が出る」みたいなことも言ってるんですけど、RIZINと被りますね。
平本選手 はい。でも朝倉未来の気持ちもわかるというか、ファイトマネーを想像するとYouTubeのほうが稼ぎがいいわけじゃないですか。選手として世界的な選手でもないし。あとは如何に自分のブランディングを落とさずにどう辞めるか、みたいな事でしょ。
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