医療法人徳洲会グループが昨年12月の東京都知事選前、猪瀬直樹都知事(67)側に現金5000万円を提供していたことが22日、明らかになった。猪瀬氏はこの選挙で初当選を果たした。また、猪瀬氏が東京都選挙管理委員会に提出した選挙運動費用収支報告書には、徳洲会グループからの収入についての記載はなかった。今年9月、徳洲会が強制捜査を受けると、知事側の関係者が全額を返還したという。
「都知事としての見識を問われる大スキャンダルになる可能性を含んでいる。現金を受け取ったタイミングも選挙資金だと疑われてもしょうがない。都知事はストレートな物言いで人気を得ているだけに、うやむやにはできないでしょう」(社会部記者)
徳洲会グループは公選法違反容疑で家宅捜索が入り、6日の逮捕者が出たばかり。2006年には日本で初めて公になった臓器売買事件の舞台(宇和島徳洲会病院)になるなど、そのモラルは何度も問題視されてきた。日本最大の医療法人グループとして豊富な資金力を誇っていたが、その金脈の拠点は本誌でも既報の通称名「カブトク」、株式会社徳洲会(東京・千代田区)だった。
「カブトクは徳田虎雄氏が全株所有し、長女の越澤徳美氏が社長、取締役にはスターン美千代氏ら虎雄氏の子どもが名を連ねるファミリー企業。徳田家の人間に莫大なカネを落とすためだけのトンネル会社です。徳洲会系の病院が薬や医療機器を調達する際に業者との仲介役を務め、5~20%の仲介手数料で年間約800億円もの売上げがあった。オーナー徳田虎雄氏(75)は東京地検特捜部の強制捜査を受け、医療法人徳洲会などの理事長を退任しましたが、カブトクなどファミリー企業7社の社長に新たに就任している。ますますグループ内は虎雄氏の院政が強まり、資金も一極集中すると見られています」(前出・社会部記者)
浮かび上がった「政界のタニマチ」の黒い接点。猪瀬都知事は徳田マネーの手厚いおもてなしを受けて当選した男、という汚名を晴らせるのか。都民が納得できる説明を果たしてほしいものだ。
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Written by 北里雅俊
Photo by トラオ 徳田虎雄 不随の病院王
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