広島少女殺人事件で注目されているLINE。いまや2億人をこえるユーザーがおり、日本の若者には欠かせないツールとなっている。
このLINEの親会社が韓国の最大手IT企業NHNであることは、日本では周知されていない。LINEは元々、韓国の別会社によって開発された同様のアプリ「カカオトーク」を、NHNJapanがベンチマーキングして作ったものなのだ。そのNHNの柱はポータルサイトのNAVERだ。韓国ではネット上の検索の75%がNAVERで行われており、韓国語でネットを活用する際、同サイトを経由するのが必須条件といっても過言ではない。
NHNは元々小さなベンチャー企業からスタートしたのだが、最近、ネット業界での行き過ぎた独占状態がベンチャー企業の成長を妨げるものとして、韓国政府が規制をかけるべく法改正を検討している。
なかでも最も問題視されているのが検索広告だ。韓国の検索広告全体(1兆3300億ウォン)のうち、じつに90.7%(1兆2065億ウォン)を占有している。NAVERではほかのポータルサイト同様に検索をすると、スポンサーサイトが表示される。もちろん広告枠を最も高値で買い取った業者が一番上に表示される仕組みになっている。NAVERでは競売形式で広告枠が買い取られるのだが、競われるのはユーザーのワンクリックに対する報酬額だ。
韓国の週刊誌「時事IN」によると、たとえばよく検索される「花 配達」という単語の場合、15のスポンサーサイトが表示されるのだが、一番上の業者をユーザーがクリックした場合、業者はワンクリックあたり4万ウォンをNAVER側に支払わなければならないという。そのためライバル社による妨害クリックの問題も後を絶たない。たとえば50人の従業員がライバル社の表示を10回クリックしただけで、2000万ウォンが飛ぶ。
オンライン広告のマーケティング会社や業者はなるべく広告費を抑えて効果的に広告を打つ方法を常に練っているが、それもいたちごっこ状態だ。たとえばオンラインショップを設立する際に韓国人がよく検索するワード「ショッピングモール 製作」の場合、ワンクリック8900ウォンだったが、同じくよく検索される「モール イン モール(ネット上のショッピングモールにモールを作るという意味)」という単語は業者が目をつけていなかったため、70ウォンで購入できた例がある。しかし、1年も経たずにワンクリック1000ウォンにまで跳ね上がってしまったという。
韓国では現在、通信などあらゆる分野で企業が市場を50%以上、独占することが禁止されている。これをネット業界でも適用すべきとの声も多く、現在、政府を中心に法整備に着手している。
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Written by 李ソヨン
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LINEも韓国だったのね