ウォン高による輸出業の低迷が囁かれている韓国だが、自動車関連では好調を続けているようだ。韓国の現代・起亜自動車が新興4ヵ国(BRICs)で販売台数を伸ばしていると韓国自動車産業研究所が明らかにした。
なかでも中国での販売台数は突出している。今年7月、現代自動車の合弁会社・北京現代汽車と起亜自動車の中国合弁会社・東風悦達起亜汽車は合計11万4000台を売り上げた。この数字は前年同月より17.5%も増加している。その要因として同研究所は「生産やインセンティブを強化したことで販売台数が伸びたのだろう」と分析している。
経済成長に陰りが見えるブラジルでも好調だ。ブラジル国内の自動車市場は冷え込んでいて、市場全体では前年同月比7.8%減という状況にある。そこでも現代自動車は強気に昨年11月に現地工場を建設。ブラジル戦略モデル「HB20」が大当たりして、前年7月の8000台から今年7月は1万8000台と122.9%もの急成長を見せた。ロシアは前年同月比で3.2%の微増、BRICsではインドが唯一苦戦を強いられ、前年同月比5.9%減にとどまっている。
新興国では絶好調ともいえる現代・起亜自動車だが、日米の両先進国では失速ばかりが目立っている。アメリカでは昨年末に燃費データの詐称が発覚し、今年に入って販売台数が2年半ぶりのマイナスに転じた。5月には190万台のリコールという目も当てられない惨状だ。
日本ではさらに悲惨だ。1992年に起亜自動車の日本法人「KIAジャパン」が設立されたものの、それ以降21年間一台も販売することができず、今年3月には日本市場から完全撤退している。
とくに日本は韓流ブームの真っ只中だった。日本でここまで起亜自動車が不人気だったという衝撃的な事実は、韓国ネットユーザーの間でも驚きを持って受け止められた。「いくらなんでも好奇心で一台くらいは売れるはず」「おそらく誤報だろう」「日本政府の陰謀だ」「日本人の閉鎖性が原因」「在日韓国人も買わなかったのは信じられない」など懐疑的な意見が多く交わされている。
この件に関して、韓国自動車産業研究所からはとくに分析の発表はない。
【注目記事】「アイツは変なとこに首突っ込んだ」関係者も謎の焼死...西成マザーテレサ不審死事件
Written by 西堂義隆