こんなグローバルな時代、嘘はすぐにバレます
「イッテQのお祭りの企画について疑念を生み、心配をおかけする事態となった。申し訳なく思います。視聴者の皆さん、出演者の皆さん、現地で制作に協力いただいた皆さん、多くの関係者の皆さんにお詫び申し上げます」
今月15日に行われた「日本民間放送連盟」の定例会見。神妙な面持ちで述べたのは、日本テレビ・大久保好男社長です。その日は、人気バラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」のデッチ上げ疑惑を報じた週刊文春「第2弾」の発売当日。大久保社長は「お祭り企画」に関わった村人らに謝礼を支払ったことを認め、企画を休止する決断をしたのです。
「これ以上、疑惑を掘り起こさないでほしいという意思表示でした。実際、文春は第3弾を用意していましたが、日テレが全面降伏したことで記事掲載を断念せざるを得なかったといいます。民放ではフジテレビがラオスやタイまで記者を派遣し、現地取材をしていましたが、社長の謝罪により一気に報道が収束しましたね」(日テレ関係者)
他方、案の定というべきか、芸能界からは次々と擁護論が沸き上がりました。
「一番多かったのは『バラエティだから面白ければいいじゃないか。実際、誰も傷つけていないし』という意見。でも、『イッテQ』は嘘とヤラセを排除することを掲げている〝ドキュメンタリーバラエティ〟を標榜しているわけですし、実際(ラオスで催されたとされる)『橋祭り』について『ありもしない祭りを〝若者たちに人気の祭り〟と日本のテレビで紹介された。明らかなフェイクニュースだ』として、ラオス政府関係者が遺憾のコメントを出すなど、半ば国際問題になっているんですよ」(週刊誌記者)
実は、日テレ社内で「これを突かれたら番組が終わる」と囁かれている2つの疑惑があるといいます。
「その1つは、今年10月21日に放送され、アユタヤ県チャイモンコン寺で行われたとされる『鍋祭り』です。(出演者の)宮川大輔が現地に到着すると、〝チャイモンコン市長〟が出迎え、お祭り会場に案内。ルールは単純で、巨大な中華鍋に乗って水上20メートルの 距離を進むというタイムトライアルレースでした。レースは1試合2名ずつのトーナメントで、1試合目の宮川の対戦相手は74歳の老人。当然勝ち進みますが、2試合目は若者に惨敗し、宮川が市長に対し、『来年も是非参加させてください』と懇願するシーンが放送されました」(別の日テレ関係者)
ところが、これが真っ赤な嘘だというのです。
「そもそも、チャイモンコンは単なるお寺の名前で『市』ではないので、市長など存在しません(笑)。『鍋祭り』自体は、バンコクの西南に位置するサムットサコン県で実在するものですが、アユタヤ県には存在しません。日テレと現地の制作会社は、それを分かっていながら放送したんですよ」(同前)
もはや、ここまで来ると、なんでもアリです。さらに、この日テレ関係者によると日テレの名物企画「24時間テレビ」が疑惑の対象になっているというのです。
「かねてより偽善番組という評価がありましたが、ある週刊誌がそのネタを掴み、取材に動いているという情報があります」
日テレは果たして、疑惑の連鎖から逃れることができるのでしょうか。(取材・文◎松井大志)
【関連記事】
●日テレ『イッテQ』やらせ疑惑 「橋祭り」は本当にあったのかがネットで白熱 ここまでのまとめ
●嘘つくな日テレ! ラオス取材で見えてきたイッテQのやらせ疑惑 「"橋祭り"なんて見たことも聞いたこともない」
●『イッテQ』やらせ疑惑にとうとうラオス政府が 「ラオスの祭りでも文化でもない」と怒りのコメント