事件現場のパトカーの後ろのマンションの一室を弟の妻が見張り部屋として借りていたという
富岡八幡宮の宮司・富岡長子さん(58)をめった刺しにし、無理心中を果たした弟の元宮司・富岡茂永容疑者(56)と妻の真里子容疑者(48)。ふたりの計画性が徐々に明らかになってきた。
「彼らは今年6月末に殺害現場から徒歩10秒ほどのマンションの5階を借り、双眼鏡で長子さんの行動確認を行っていたのです」(社会部記者)
部屋にセロハンテープで貼り付けられた封書には、次のような文字が記されていた。
<私は積年の恨みから富岡長子を殺害することに至りました。長子を殺害後は責任を取り自害するつもりでありますが、万が一1人で自害できない場合は、茂永にそのほう助を依頼しております 平成29年12月1日 真里子>
だが、彼女の知人はこう反論する。
「茂永が死後、妻殺害の罪に問われないよう警察にアピールするため、無理やり書かせたものでしょう。彼女と茂永は結婚と離婚を繰り返してきた腐れ縁の関係で、もはや共依存のような間柄。『宮司だった頃は羽振りの良い生活をしていたのに、長子のせいで奈落の底に落とされた』という思い込みが殺意を駆り立てたのでしょう」
茂永容疑者が宮司だったのは95年から01年までの6年間。神社の財産を使い込むなど、素行不良が氏子の間でも問題になっていた。その金満ぶりはつとに有名だったという。
「指定暴力団S会と関係が深く、銀座のクラブに入り浸っていました。一晩100万、200万を使うなどザラ。一方で長子さんもホストクラブ遊びが激しかった」(神社総代関係者)
歌舞伎町の飲食店関係者がいう。
「彼女はホストの間では『チョコ』というあだ名で呼ばれていたそう。1本100万円のワインを空けることもあった。たくさんお金を使った日は、指名のホストとホテルにしけ込んでいましたね。でも、指名ホスト以外は『あなた、カスね』という態度なので、面倒なお客様と見られていました」
姉弟の骨肉の争いが法廷に持ち込まれたこともある。11年2月、富岡八幡宮の職員をしていた茂永容疑者の長男が素行不良を理由に宮司の長子に懲戒解雇されたのだ。茂永容疑者は長男を焚き付け、法廷闘争を開始。世代を超えた代理戦争と相成った。
「結局、最高裁まで争った末、長男の完全敗訴が言い渡されました」(社会部記者)
一縷の望みを絶たれた茂永容疑者。その絶望が殺害の引き金になったのだ。
取材・文◎編集部