熾烈な闘いの裏にあったものとは(写真はイメージです)
平昌冬季五輪のスピードスケート女子500メートルで金メダルと獲得した小平奈緒選手と、銀メダルの李相花選手の氷上の熱い抱擁が話題だ。
日本同様、韓国のネット上でも話題で、SNSでは感動のコメントが次々とアップされている。
抱擁写真以外にも、小平選手が新記録を出して歓声を上げる観客席に向けて、人差し指を口元にして静かにするようジェスチャーする写真も取りざたにされている。観客席の声が次のレースの走行の妨げになりかねないため、小平選手が配慮したのだ。
韓国メディアでは「マナーの人差し指」などとも表現され、小平選手の人柄が絶賛されている。
ところで感動ストーリーの裏で、韓国でちょっとした疑惑が話題になった。2大会連続金メダルを獲得し、今回は惜しくも銀メダルとなった李相花選手のコンディションを乱す出来事があったと、韓国のある評論家がラジオで語ったのだ。
李選手の競技日の午前中、韓国の五輪委員会の役員が宿を訪れ選手らを集めて激励したのだが、コンディションを整えるために部屋に寝ていた李選手もわざわざ起こされた、というのだ。
この問題については李選手が自ら、その数時間前に起きていたので、五輪役員の訪問のためにコンディションを崩されるといったことはなかったとコメントし、疑惑は否定された。
それにしても競技前に五輪のお偉いさんがホテルに来て、その演説を聞かされることが果たして、選手のためになるのだろうか。邪魔にはならなかったとしても、プラスになることはあるのだろうか。
もちろんそれは個人の感じ方の問題なので何とも言えないが、韓国に限らず、五輪委員や政治家などが頼んでもいないのに「激励」や「応援」をことさら強くアピールしたり、選手の努力や功績をわが物のように振る舞うことは珍しくない。
選手に良い成績を出してほしい、あるいはよい結果を激励したいのなら、「お偉いさんたち」は何をすべきか、いま一度考えてほしいものだ。
文・李ソヨン