新幹線通り魔殺人事件 犠牲者の方の自宅を映すメディアの神経を疑う|久田将義

2018年06月11日 久田将義 新幹線内無差別殺人 新幹線通り魔殺人事件 犠牲者

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 ちょっと待ってくれよ。
 僕は目を疑いました。テレビのある場面を見て、です。

 9日、午後10時ころに東海道新幹線下り車内にて、小島一朗容疑者が女性二人にナタで斬りつけ、それをかばった会社員梅田耕太郎さんを殺害しました。梅田さんの身体を張った行為は僕にはとても出来ないことです。

 一部では梅田さんの行為を「蛮勇」とするような意見もあるようですが、それは殺害されてしまったからであり、小島容疑者を取り押さえていたらそんな意見も出ていなかったはずです。

 とは言え、遺族の方の想いは計り知れません。身近にいらっしゃる方がコメントを出すまで、いだずらに梅田さんの行為を論じる事は控えたいと思います。

 僕が冒頭で信じられないと記述したのは、被害者であり犠牲者の梅田耕太郎さんの自宅に、メディアが押しかけ、モザイク付きとはいえ放送していたからです。

 これは何の為に必要なのでしょうか。遺族の方は悲しみに沈んでいる事でしょう。遺族の方は、メディアが押しかけて、心が休まるのでしょうか。

 また梅田さんのご自宅を撮影する事で、こういった事件の再発防止の役にたつのでしょうか。

 嘘だろ。

 僕は愕然としました。メディアスクラムと言われて久しいです。この言葉を僕のようなメディアの末席を汚すものでも、何とか心にとどめて置いています。梅田さんご遺族が、例えば「夫の行為を皆さん忘れないで下さい」といったコメントを出し、取材に応じるのであれば分かります。

 しかし今のところ、そのような話は出ていません。「たしなみ」という心や「自制心」を報じる側は必要なのではないでしょうか。だから、たまに「マスゴミ」にどと揶揄されていまうのではないでしょうか。(文◎久田将義)

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