相次ぐ歌舞伎町の違法賭博店摘発の背景には何があるのか? まもなくIR法案が可決

2018年06月28日 IR法案 バカラ賭博 摘発 歌舞伎町 違法賭博店

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 歌舞伎町で違法賭博の摘発が相次いでいる。6月19日、インターネットを使用した海外バカラに賭けさせたとして、従業員らふたりが逮捕。6月21日には、バカラや改造パチスロ機を使用して賭博を行っていた同系統の2つの店舗の従業員と客が逮捕された。特に後者は、店の責任者ら従業員が15名、客の男女が13名も逮捕されるという大捕り物である。

 ふたつの事件とも店側は、がっちりと施錠するなど、(店側からすれば)セキュリティ対策をしっかりととっていて、恒常的に営業を続けていた「常盆」であった。その常盆が相次いでこの時期に摘発された背景には、きな臭さも感じなくはない。

 そもそも、これら摘発された賭博店だけではなく、歌舞伎町に一定数の常設賭博があることはその筋に詳しい人なら周知の事実である。それだけに店側のガードは固く、歌舞伎町のある違法賭博店では客に対し徹底した"紹介制"をとっている。その店では、常連に紹介された新規の客の場合、ある程度馴染みとならなければ(つまり、店側から見て客定めが出来るまで)単独での来店は出来ない。そのくらい、店は摘発と、それに至る内偵を警戒しているのだ。

 今回の相次いだ摘発は、警察側から言わせれば日常的な捜査の延長線上であり、特別な意図はないと言うであろう。しかし、これまでのパターンから類推すれば、派手な摘発とその効果の裏にはなんらかの理由があると考えるのが普通だ。例えば、6、7年前相次いだ歌舞伎町でのキャバクラの摘発である。

 これらのキャバクラが摘発された理由は深夜1時(歌舞伎町の場合)を過ぎても営業をしていた風営法の時間外営業だ。この摘発と前後して俄かにダンスを踊るクラブなどへの対応が喧しくなり、国会には"ダンス議員連盟"が作られ、これが「特定遊興飲食店営業」という法律の施行へと繋がっていく。

 現在の状況に当てはめれば、国会では安倍内閣が成立に血道をあげるIR法案が佳境に入っており、野党側が激しく抵抗をしているものの会期内の成立が視野に入ってきた。そもそも、金を貸し付けてまで博打(カジノ)をやらせるという法案のすさまじさを考えれば、もっと国民的議論を呼んでもいい論議ではある。

 こんなときに違法賭博の摘発をPRすることは、適切な賭博、明るいレジャーを呼称するカジノ推進派にとって援護射撃になることは間違いないだろう。しかも、6月21日の摘発では、組対(警視庁組織犯罪対策4課)が主導となり背景にある指定暴力団の資金源を断つためと喧伝している。

 思えば、キャバクラ摘発の際も暴力団の資金源云々という話はマスコミを通じて広く伝わった。
 もちろん、違法行為の摘発自体は行うべきではあるが、これらの背景を無視して、お上の意向をただ垂れ流す記者クラブマスコミにも問題はある。穿った見かたをしろとまでは言わないが、ブリーフィングありきの報道は国民に見透かされるだけだ。(文◎鈴木光司)

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