民主党の偽メール事件を巻き起こした張本人"西澤孝"が詐欺容疑で逮捕
今となっては興味のある方は少数になってしまったかもしれないが、"ちょっと面白い男" が詐欺容疑で逮捕された。
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「2ちゃん」削除名目で詐欺容疑=男逮捕、国会偽メール仲介者-警視庁
インターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれた誹謗(ひぼう)中傷記事を削除する名目で、東京都国分寺市の男性医師(43)から現金105万円をだまし取ったとして、警視庁碑文谷署は23日までに、詐欺容疑で、会社役員松島隆寿容疑者(40)=目黒区柿の木坂=を逮捕した。
(時事通信社WEBより http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014052300397)
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松島隆寿と聞いてもピンと来ないかもしれないが、ニシザワタカシという名前だったらどうだろう?
そう、この松島容疑者というのは、民主党の偽メール事件を巻き起こした張本人・西澤孝そのひとなのである。
以前このサイトに寄稿した記事にも書いたが、私は当時の仲間と共にだいぶ早い段階からライブドア問題を追っていた。他のメディアがホリエモンを新時代の象徴かのように持ち上げていた時期から、ライブドアという会社のマズさを調べ上げ、可能な限りの手段で世に発信していたのだが、そうした追求活動の最大の障害になったのが民主党偽メール事件である。
実は当時、ライブドアから自民党への金の流れについて様々なルートから「疑わしい」と報告が入っていた。だがその時は「何かあってもおかしくない」という状況証拠だけがあるという段階だったため、もう少し踏み込んだ調査が必要だという結論になっていたのだが、そんな矢先に巻き起こったのが偽メール事件である。
「民主党が何か掴んだらしい」という第一報が入って来た際には、我々も同じネタを追い始めたところだったため、「先を越されたか!」という悔しさと、「ライブドア問題に関して最先端にいると自負していた我々を出し抜いた人間とはいったい誰だろう?」という純粋な興味とが沸き起こった。
当時は我々も民主党への太いパイプがあったので「情報元や情報の詳細を可能な範囲でいいので教えて欲しい」とお願いしてみたのだが、残念ながら偽メール問題の主役達は我々のルートとは派閥が違ったようで、世間の皆さんと同じようなタイミングまで情報発信者が誰なのか知ることが出来なかった。結果論になってしまうが、この民主党内の派閥争いに巻き込まれる形になってしまったことが、後に死人を出す要因になってしまったように思う。
どういう事かというと、偽メールを民主党に持ち込んだ西澤孝という人物は、我々の仲間内の週刊誌記者らの過半数が名前を知っていた「業界の問題児」だったのだ。これがもう少し筋の良い人間がもたらした話だったならば、我々も信じ込んでしまったかもしれない。だが西澤孝だけはマズイ。何がマズイって、偽メール発信者が西澤孝だと解った途端に、その場にいた某光文社や某小学館のそれなりのポジションにいる記者が「うわああああ!」と絶叫したくらいマズイ。
なんせこの男は週刊誌の業界では"捏造記者"として悪名高く、あちこちで出禁を喰らっているような人間だったのだ。一時は某スポーツ選手に関するデマ記事で、週刊誌の名誉毀損の賠償金の最高額を更新(600万円+謝罪広告)したほどである。
情報元としてそんな名前が出て来てしまったものだから、我々はまず全力で民主党を止めにかかった。その名前はマズイ、そいつの情報を鵜呑みにするなと。しかし時すでに遅く、会見や国会で某議員が自信満々に「動かぬ証拠がある! 決定打がある!」と公言してしまった後だったという事と、我々が頼みにしていたルートと偽メール問題の中枢にいる連中の派閥が険悪すぎた事の2点から、こちらの言い分は無視され、皆さんご存知の"あのザマ"となった。
その後、偽メール事件で矢面に立っていた民主党議員は立場をなくし、最終的には自殺にまで追い込まれてしまう。我々もあの騒動のお陰で身動きが取れなくなり、ライブドア社内からの情報提供がストップしたため、「自民党とライブドア」というテーマについては諦めざるを得なくなった。西澤孝がもたらした偽メールとは、それほどのバッドエンド直行ルートのフラグだったのである。
さてさて、そんな破壊力満点の元・西澤孝さんこと松島隆寿容疑者が、遂に詐欺容疑で御用となった。まだ確定はしていないものの、本人が罪を認めているので、このまま決着するものと思われる。
格闘技業界では前田日明をはじめとする興行主らを相手にいくつもの不義理・詐欺紛いの騒動を巻き起こし、週刊誌の世界ではあちこちの出版社にデマ記事を書いては名誉毀損の賠償金を支払わせ、政治の世界では元議員の自殺の遠因となるなど、数々の負の伝説を作った男としては「よくこの程度で済んだな」というのが正直なところだ。ただ 「2ちゃん書き込みの削除」 などという詐欺でとっ捕まる辺りは、らしいと言えばらしいのかもしれない。
西澤孝に限った話ではないが、どの業界にも "虚言"という単語がピッタリくる輩が跋扈している。そういう人間の中には、声の大きさと自信満々の態度に誤魔化されてしまうのか、なぜか一定の信用を集めてしまっているヤツまでいるから不思議で仕方ない。
今はどこの出版社も金銭苦にさいなまれており、また名誉毀損の賠償金は高額化が叫ばれている。こんなタイミングで一撃数百万なんて支払いが命じられでもしたら、一発で飛んでしまう雑誌も多かろう。
情報発信メディアを持つ皆様は、情報源が信じるに足りるのかどうか、くれぐれも用心に用心を重ねて判断していただきたい。"ニシザワタカシ"さんと同類の人間なんて、私が知る限りでも掃いて捨てるほどおりまっせ。
Written by 荒井禎雄
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