【進む自民党のカルト化】「機能性食品表示」は詐欺師にお墨付きを与えてしまう!?

2015年05月01日 機能性食品表示 自民党 詐欺師

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 さて、前回の記事では 『機能性表示食品』 についての危うさを指摘させていただいたが、今回のテーマはそれを推し進めた安倍政権の危うさについてだ。両者が結び付くとどれほど怖い話になるか、またその背景に何が潜んでいるか、ぜひ皆さんも想像して欲しい。

●歴史的に自民党にはカルト宗教やエセ科学が付きまとっていた!

 まず頭に入れておいて欲しいのが、歴史的に自民党にはカルト宗教やエセ科学が付きまとっているという点だ。例えば、過去に現役政治家を集めて波動だ何だといったエセ科学の勉強会を開いたり、そうした要素を取り入れている企業から献金を受けていたりと、非常に危うい背景があったそうだ。ただし、この情報は某ベテラン議員から 「アイツら今度はこんなもんを勉強してたぞ」と、笑い話として伝え聞いたものなので、ネットで調べてもおそらく何も出て来ない。また、いかがわしい連中が時の権力者に取り入ろうとするのはお約束なので、自民党だからではなく「政権与党を長く続けて来たから」が理由だという点も明言しておく。

 上で波動の勉強会という単語を出したが、そのキーワードで思い出すのは亭主に対して大きな発言力を持つ事で知られる首相夫人の安倍昭恵氏である。昭恵夫人は某波動研究家(故人)を先生と崇めたて、定期的に波動の勉強会を開き、また波動本を海外にばら撒くための資金提供までしていたのだ。これは波動の先生自身が明らかにしている話なので、おそらく事実なのだろう。

 安倍夫人がこの波動研究家にどこまでハマっていたかと言えば、原発事故の際に「水はすべての情報を記憶するそうです。明日、31日正午、福島原発の水に愛と感謝を送って下さい。たとえ離れた場所からであっても、その想いは必ず届き水は記憶します。そのことによって事態が少しでも好転すればいい・・・。」(安倍昭恵氏のブログより引用)と言ってのける程度にはドハマリしていたようだ。現在の福島原発及び海洋汚染の惨状を見る限り、この波動研究の大家とやらのパワーがどれほどであったか想像に容易い。きっと何かの手違いで、かき集めた愛と感謝が呪いや祟りに変換され、それを原発冷却水が記憶してしまったのだろう。 ああ怖い怖い。

※参考記事 『STAP細胞・小保方さんを批判できない!? エセ科学大国ニッポンの現状』

 この手のエセ科学について何度も記事にしているが、とりあえず最低限の情報として、また私のスタンスとして、この記事だけは目を通していただきたい。

 安倍夫人のような心強い味方がいるのだから "機能性表示食品特需" の恩恵に授かろうとする連中の中には、真っ当な企業だけではなく、それ相応の輩(やから)も含まれて当然である。前回の記事で説明したように、臨床実験をせずとも 『機能性表示食品』として流通させられるのだから、詐欺師連中が何を考えるか想像するまでもない。

 例えば、ミネラル・ビタミンなどが含まれたありふれた飲料水を「霊験あらたかな○○阿闍梨の霊水」として売り出し、それを『機能性表示食品』に認定して貰う事さえ可能かもしれない。これは適当な妄想ではあるが、この場合ミネラルやビタミンに関する部分で効果を謳い、それをもって届け出をする。当然、阿闍梨の霊力については主張しない。そして首尾よく 『機能性表示食品』として認可が降りたら、信者が勝手にやっているという体の販売サイトなどで「○○阿闍梨の霊力が国に認められました!」とでも喧伝する。認められたのはビタミンだったり亜鉛だったりなのだが、カルト団体からすればそんなもん関係ない。また含まれている成分がビタミンなどのありふれた物ではなく、何か特殊に感じる物であればなお詐欺効果が期待できるだろう。 もう少し違ったバリエーションとしては、単なる栄養ドリンク的な内容で認可を取っておいて、情報弱者向けに 「トルマリン粉末により良い波動が詰め込まれたお水です」などと "製造者ではない非公式の立場の販売サイト" が『機能性表示食品』 を売り捌くことも考えられる。

 こうした詐欺商法に下手に手を出して摘発される連中も現れるだろうが、問題なのは「国が認可をしてしまった」という点だ。これがトクホのように臨床実験の結果を根拠とする「コストのかかる商品」であれば容易には手を出せない。ところが 「含まれている原材料に関する論文があればいい」というだけの 『機能性表示食品』になると、途端にハードルが下がってしまう。詐欺師からすればダメ元で "国の後押し" が得られるのだから、ムキになって商品開発に勤しむだろう。

 と、ここで気になるのは薬事法との兼ね合いなのだが、実は薬と間違うような表記(売り方)をしなければ、まず薬事法違反にはならない。"明らかに食品と解る商品"(明らか食品と呼ぶ)であれば、効果・効能を謳っても薬事法には引っ掛からず、「薬と間違う人間はいないから薬事法の管轄外になる」というグレーゾーン的な存在なのだ。これに加えて『機能性表示食品』によって食品に関する法律も抜けられるように規制緩和されてしまったのだから、後はもうお分かりだろう。安倍政権は安全弁を外してしまったも同様なのだ。

 安部首相は経済効果が見込めると言って聞かないが、確かに経済効果はあるだろう。だがそれは、カルト・アングラ・犯罪者集団などの懐が潤い、またそれを国が後押しをする形になってしまうというリスクを負ってまで求めるべきものなのだろうか。

 こうした危険性が理解できないようでは、自民党自体がカルト団体化していると言うよりほかない。 現政権には良心と呼べる人物はいないのだろうか。

Written by 荒井禎雄

Photo by USDAgov

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自民党、大丈夫か?

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