今夜もまたドラマが演出されるのだろうか...
本サイトでも報じた京都市内の有名大学生による集団風俗スカウト事件の主犯として、2月7日、無職のO容疑者(30)が京都府警に逮捕された。同日付の産経新聞(Web版)が報じた。
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O容疑者の逮捕理由は、「有害業務」を紹介した職業安定法違反の疑いだ。この有害業務の是非については後述するとして、主犯とされるOは、市内の有名大学生で、なおかつ女性に好感を持たれそうな男を「稼げる」仕事として言葉巧みにスカウト。ナンパ風のスカウトで若い女性を自身が関与するバーなどに通わせた上、高額の料金を請求し払えない場合は、風俗業を"紹介"していたという。
逮捕を受けたニュース番組でも報じられていたが、ある"被害者"の女性は一度に60万円以上の請求をうけたそうだ。この番組をみた多くの視聴者は、目の玉の飛び出るような高額請求に驚くかもしれないが、筆者からするとまた、違った視点も見えてくる。件のニュースで証言した女性は、お金もさることながら「心を弄ばれたことが許せない」と語っていたのだ。これがなにを意味するかは、風俗業界を少しでも知っているものなら、すぐ理解するハズだ。
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おそらく、この女性はスカウトに恋心を抱き、またスカウトもそれを煽ったのであろう。だからこそ、「心を弄ばれた」などという言葉が出てくるのである。世間知らずの若い女性には気の毒ではあるが、正直、繁華街ではよくある話である。
そもそもこの行為を全面否定していては、ホストクラブも、あるいはキャバクラも成り立たない。言ってみれば、そこの駆け引きを楽しむのがオトナの遊びである。今回のケースでは、女性はもちろん、にわか仕立てのスカウトにも、プロのホストやホステスのような機微を演じることが出来なかったのであろう。
付け加えて言えば、ひと言に高額請求というが「60万円」ほどの金額は、ホストクラブなどで高価なシャンパンを入れれば容易に届く額だ。これまた否定していたのでは、ホストクラブだけではなく、銀座や北の高級クラブも成り立たない。
そう考えると、この事件の骨組み自体は、いまの繁華街で"日常的"に起こっていることと基本的には変わらない、ということも出来る。ただ、洗練されていなかっただけで......。
そしてもうひとつ、忘れてはいけないのは、先にあげた職業安定法違反の「有害業務」の話だ。
これは、O容疑者らが、女性たちを大津市内の風俗店に派遣していたことからきているようだ。詳細は報道されていないが、おそらく(十中八九)雄琴であろう。本来、有害業務とは危険な職業(有害な物質を取り扱う仕事など)を指しているのだが、近年の法解釈は風俗店もターゲットにしている。
その理由は、公衆衛生や公衆道徳上「有害」である、ということだそうだ。いくらでも拡大解釈可能なこの概念は、ある意味、危険性をもっていると筆者は感じている。(取材・文◎鈴木光司)
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