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一昔前であれば芸術家やアーティストの周囲は、気難しくて感情的なのが当たり前という空気感が漂っていたのだが、昨今ではこれらも物議になる流れとなっているようだ。
今回騒動の渦中にいるのはグラフィックデザイナー・芸術家として長らくトップを牽引し続けている横尾忠則氏(82)。
兵庫県西脇市の市岡之山美術館では、同市出身の横尾忠則氏の特別展「横尾忠則 西脇幻想展」を今月28日より来年3月24日まで開催予定だったのだが、18日にこれを延期するとの発表がなされた。
開催延期の理由についてだが、横尾氏が播州織の布やまち針などを混ぜて漉すいた和紙の立体作品を複数制作する過程で、8月29日にも兵庫県多可町の施設で和紙作品を作る予定があったのだが、制作用の素材を持ち込む職員らの到着が30分ほど遅れたため、待たされた横尾氏が「制作意欲が失われた」と立腹。そのまま市内のホテルに引き揚げてしまったという。
その後も美術館側は横尾氏とのスケジュール調整に挑んだが、横尾氏の多忙さもあり作品の完成目処が立たないことなどから、14日に美術館側から延期の申し入れがあり、これが横尾氏に了承されたという格好。
美術館側は「美術館側の不手際で展覧会にふさわしい出品が整わず、申し訳ない。遅れてでも開催できるよう努力する」と今も開催に意欲を見せているようだが、横尾氏側は「美術館に聞いてほしい」と姿勢を明確にしていない。
「そんな程度の創作意欲なんだろ」
「器が小さ過ぎ」
「これを同人作家に置き換えるとなんかイラっとする」
「年取ると怒りやすくなるからね 人によっては怒りを制御できなくなる人もいるし」
「まあ、芸術家なんてそう言う人間の典型だろ」
「依頼した側が30分も遅刻するなんて、一般の会社じゃありえないだろ」
「わがままな老人は多いけど遅刻はダメだね」
「それでも頼みたくなる魅力が作品にあるのが横尾忠則」
様々な反応がありながらも、遅刻に対して最終的に許さないという決断を下した横尾忠則氏に対する厳しい声が多数派となっているのは時勢ということなのだろうか。いずれにせよ延期開催が実現となればよいのだが。(文◎編集部)
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