「もっと尻を突き出せ!」バカ親に売られるジュニアアイドルと児童ポルノ法の問題点

2013年11月29日 ジュニアアイドル 児童ポルノ 秘密保護法

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 秘密保護法の強行採決を受け、知る権利や表現の自由について熟考すべきという声が高まっている。だが、秘密保護法以外にも長年にわたって揉め続けている案件も数知れない。例えば穴だらけで今の状況に全く合っていない風営法や、パチンコ・スロットだけが許される理由の説明が全くなされていない賭博に関する法律。 そうした問題の多すぎる法律の中でも、今回は児ポ法に絡む話をさせて頂こうと思う。

 世のため人のために児ポ法や表現規制を推進している方々には申し訳ないが、現段階では 「そもそも児童とは何か?」 や 「児童をどうしたいのか?」 といった、動機・目的・ゾーニングがてんで噛み合っておらず、とてもじゃないが推進派の意見をそのまま鵜呑みには出来ない代物だ。また 「非実在児童」 だの 「擬似児童ポルノ」 だの 「CG児童ポルノ」 だのといった意味不明の造語・概念ばかりが増え続けており、素人目にも 「二次元創作物まで範囲に入れたくて無理をしている」 様子が受け取れてしまう。ただ子供を守るための法律ならば、今ある法律に僅かの手直しを加えれば良いだけだと思うのだが、適用される範囲を無理に広げようとするから問題が噴出するのではなかろうか?

 片方では人気取りのつもりなのか 「クールジャパン」 と言ってみて、もう片方ではそのクールジャパンを生み出す土壌をぶち壊しにするような表現規制を進めようとする。全くもって何がやりたいのか伝わらない。それどころか、法案の内容に問題があると文句を言う人間に対し 「ロリコンだ!性犯罪者だ!」 と、レッテル貼りをする輩までいる始末である。

 そうした一部の狂信的な規制推進派の皆様が 「児ポ法をいかに二次元創作物にまで適用させるか?」 に夢中になっている影で、いの一番に守る対象にせねばならないはずの 「実在する三次元の児童」 がどういう目に遭っているのか、ジュニアアイドルの業界を例に出してご説明しよう。

 以下はデリケートな話題になるので、私が撮影スタッフとして、また取材のライターとして、直接見聞きした内容に限ってお話させて頂く。

 まず、ジュニアアイドルと呼ばれるタレントは非常に寿命が短い。 早い子は7~8歳くらいで事務所に入ってモデルを始めるが、14~15歳辺りで旬が終わる。なんせ商売相手がロリコンなのだから、彼らの食指が動かない年齢になったら目に見えてDVDの売上が落ちるし、商売にならなくなれば事務所の扱いも悪くなる。

 しかも大手事務所ならばいざ知らず、ジュニアアイドルだけを専門に扱うプロダクションなどハナから焼畑農業のような方法しかしないため、ろくな教育・訓練を行わない。ただ子供をスカウトしてきて水着にさせ、売れなくなったら知らん顔というのが彼らのビジネススタイルだ。また仕事の内容も裸のような格好をさせられ、年に何枚かDVDを出すだけである。これではタレントとしてツブシが利かず、ロリコン商売の旬が過ぎたらどうなることか。

 私が実際に会ったジュニアアイドルの中には、同じ事務所の他の子との扱いの差を気に病み、「私ももっとエッチな格好しなきゃお仕事が貰えない」などと口走る小学生の女の子がいた。だがそんな方法で頑張ったところで、可愛そうだがその子にはタレントとしての未来などない。芸能界は意外と格にうるさく、子供の頃からヨゴレ仕事ばかりやって来て、何もスキルがない女の子になぞ、座る席が与えられないのである。もし可能性があるとすれば、AVや風俗もやっているプロダクションに移籍させられて後はゴニョゴニョ......であるとか、枕営業でも何でもやって小さい仕事をかき集めるような人生だけだ。果たしてそれは子供が夢に見る芸能人の姿なのだろうか?

 ジュニアアイドルだけをやっているプロダクションの中でも特に悪質なところになると、所属人数ばかり何百人と増やして実際に仕事が回ってくるのはほんの数人といった状況で、そうなるとジュニアアイドルの親など「レッスン費用を支払ってくれるお客さん」 でしかない。子供の夢と親の見栄をエサに肥え太る、実に素晴らしいビジネスモデルである。

 また親が見栄でヤラせているというだけならばまだしも、中には我が子を道具にして己の欲望を満たしたいだけの親(特に母親) までいる。例えば、都内のスタジオなどでの撮影には顔を出さず、事務所の送り迎えもないため、子供が自分で電車を乗り継いでやって来るのに、これが沖縄だのグァムだのハワイだのでの撮影となると 「自分の友達を連れて待ち合わせ場所までやって来るバカ母」 が実在した。

 その母親は空港に友達連れでやって来て、その友達の分の航空券がないとスタッフに当たり散らしたのである。流石にその時は母親の分の航空券だけ渡し、勝手に着いてきた友人の分は自腹で買って貰ったのだが、撮影場所に着いたら着いたでさらに酷かった。子供はお母さんに言われた通りにカメラに向かってあられもない姿を晒しているというのに、肝心の母親は完全にバカンスモード。我が子の現場にチラっと顔を見せただけで、ショッピングだ海水浴だエステだと全力で遊んでいらっしゃった。

  たまに現場で口出ししたかと思うと、子供に向かって「もっと胸を寄せろ」 だの「もっとお尻を突き出せ」だの「カメラにオマタを広げろ」だのエゲツない言動を連発。それに対して疑うことなく 「はぁ~い」 と言う事を聞いてしまう娘のなんと健気なことか。

 こうしたジュニアアイドルのDVDは、常にチキンレースが続いており、数年前から 「もうヤバイもうヤバイ」と言われ続けてはいるものの、未だに危険極まりない内容の作品がまかり通っている。それだけ現状の 「子供を守るための法」 に不備があるということだろう。

 どう考えても、真っ先に救うべきはこうした大人に食い物にされる実在する子供である。ムキになってマンガ・アニメなどの二次元作品の規制を推し進めようとすればするほど、反対派との間でトムとジェリーの追いかけっこになるだけだ。その間も今日もどこかで大人に食い散らかされ、親に売られた子供達が、カメラにオマタを広げているのである。 二次元作品に妙にこだわる連中は、一体何を救いたいのだろうか?

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Written by 荒井禎雄

Photo by paola rizzi

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