最近テレビのドラマとかバラエティ番組を視聴すると必ず「許諾無くインターネットにアップする事は違法です」とかの文言が出てくるのを皆様の中で気付いている方は多いであろう。最近本サイトでも記事の著作権を無視して違法にアップロードをされていた。
この風潮は果たしてどうなのであろう。最近騒がれた事件で動画投稿サイト「FC2」にテレビドラマなどを違法アップロードし、生活保護を不正受給したとして、著作権法違反と詐欺の罪に問われた記憶喪失の男(仮名、鈴木太郎)の判決公判が2月9日、前橋地裁で開かれ、懲役2年、保護観察付き執行猶予5年、罰金30万円(求刑懲役2年、罰金30万円)を言い渡した。
この男は、群馬、栃木両県警によるサイバーパトロールで浮上し、著作権法違反の疑いで昨年9月24日に逮捕された。2013年6月から2014年3月まで、フジテレビ系ドラマ『失恋ショコラティエ』など9作品を動画サイト「FC2」に投稿し、不特定多数に見られるようにしていたとされている。動画投稿は、2012年11月から続けていたといい、その数は約2000本もあった。銀行口座からは、この間に1000万円超を稼いでいたことも分かった。鈴木太郎を仮名としているが、これは役所が付けた名前である、従って本当の仮名である。
判決理由で川崎裁判官は「生活保護で騙したお金を得ながらスキューバダイビング費用に充てるなど、犯行動機は身勝手」としながらも、知人の協力を得て約300万円の生活保護費を返還したことなどを考慮し、執行猶予とした。
これにはいくつもの謎がある。知人の協力を得て市役所に約300万円返済した友人も正直謎である。この人間は2008年3月に熱海市内で意識不明の状態で倒れていた所を保護され、そのまま入院した。その病院での診断は「全生活史健忘」と言うあまり馴染みの無い病状だ。この症状は、大きな精神的ショックなどから起こり、日常生活の知識はあるものの、自分の生活歴を忘れてしまうものとされている。
この為、被疑者は本名や年齢は不詳となっており、鈴木太郎の仮名で、外見などから現在は36歳とみなされているのだ。保護された際は日本語か英語か訳の分からない言語を話していたという。
そして退院後、何故か男は小田原に現れた。病院で知り合った湯河原在住の人間の家にしばらく住んでいたが追い出された末に小田原に流れ着いたらしい。神奈川県の小田原保健福祉事務所によると、男は、2ヶ月程で退院。倒れた先の熱海市が医療費も含めた生活保護費を支給していた。
2008年6月からは、神奈川県湯河原町のアパートに住んでいることになっており、県が町を通じて逮捕起訴されるまで男に生活保護費を支給している。そしてこの男は生活保護費の住宅扶助で小田原市内にアパートを借りながらも優雅に三島市内のマンションを他人名義で借り、沼津市でスキューバーダイビングを楽しむなど世間を舐めきったような生活を送っていた。
小田原保健福祉事務所の生活福祉課では、男がネット回線の契約をしていたり、銀行口座を作ったりしていることに驚きを示した。
「戸籍を作っておらず、身元保証もありませんので、いずれも難しいはずだと思います。銀行通帳を持っていない事になっていましたので、生活保護費は現金で毎月渡していました」
実は生活保護受給者には「生活保護受給者の証明書」があり、公的な身分証明書となって銀行口座などが簡単に作れる。面談も3ヶ月に1回のケースワーカーの訪問時に電話で連絡をして指定した日にちに男と面談をしていたと言う。連絡が入ったら三島市内のマンションから湯田原町内のアパートに戻ったのであろう。
この男は記憶喪失のふりをしているのでは無いか? と誰もが疑問に思う。この特異な病状は非情に珍しく日本で年に1~2人出る位の症状であるらしい。そして彼は裁判でこの様に言い訳をした。
「自分が逮捕されれば指紋で自分が誰かわかると思った」と。
これが演技であれば素晴らしい演技である。他人の作った著作で数ヶ月で1000万円も稼げれば誰もが真似をしてしまうであろう。
そして話は変わるが、香川県警生活環境課は2月24日、インターネット動画配信サイトを使って物乞い(こじき)行為をしたとして、軽犯罪法違反の疑いで高松市の無職の男性(23)を書類送検した。送検容疑は1月6日午後5時半~6時10分ごろ、JR高松駅周辺でパソコンを使ってサイトに接続し「僕お年玉もらってない。高松駅周辺にいるのでお年玉をこのカップに入れてください」などと中継、不特定多数の閲覧者に金品を乞うた疑い。
サイトを見ていた視聴者が警察に通報した。取調べに男性は「お金をもらいたかった」と容疑を認めている軽犯罪法1条は、乞食をするか、乞食をさせた者を拘留か科料に処すると規定している。
有名な配信者であるらしいが、この様な物乞いをする配信者は数多く見受けられる。ヤクザを名乗ったりする人間もいるのだ。これらの逮捕が今後の事件を防げればいいが。
Written by 田川良
Photo by pasotraspaso
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