とにかく国内外ですごい扱いになっている少年たちを報じる現地メディア
タイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟に閉じ込められた11~16歳のサッカーチーム少年らとコーチ(25)の13人が救出された事件は世界中で報道され大きな注目を集めました。
7月10日の全員救出後、病院での入院と検査を経て家族のもとに帰れたものの、マスコミ取材を避ける目的もありクリスチャンの1人を除いた12人が短期間の出家をしたぐらいまでは日本でも報じられていました。
その後ですが、出家していたコーチ以外の11人は8月4日に還俗、コーチはさらに1か月後の9月4日に還俗しました。その間の8月8日、無国籍だったコーチを含む4人に対して、タイ国内で出生した証拠が揃っているとしてタイ国籍が与えられる嬉しい出来事もありました。
9月6日にはプラユット首相主催によるサッカーチーム少年ら13人の救出に尽力した国内外の関係者を招待した大規模な感謝式典がバンコクで催され、少年らもその場でプラユット首相と面会しています。
式典で一区切りが付き、コーチが戻ってきたことでサッカーチーム「ムーパー・アカデミー」は、ようやく9月16日から元の学校グラウンドでサッカー練習を再開。以前の平穏な生活に戻ることができたのです。
...というわけには、まだいきませんでした。
9月26日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長がサッカーチーム少年らとコーチの13人を10月6~18日にアルゼンチンで開催されるブエノスアイレス・ユースオリンピックの開会式と競技観戦に招待したことを明かしたのです。
13人に加えて父母ら保護者と付き添いの行政関係者も招待され、もちろん渡航費から滞在費、食費まで全額IOCが負担。選手村にユースオリンピック参加選手らと共に入り、さらにユースオリンピック参加選手チームとフットサル親善試合も行われることになりました。
コーチのエーカポンさんも招待を受けたことを認め、13人は10月3日にチェンライの空港を発ち、バンコク、イスタンブール経由で4日にアルゼンチン到着後、ユースオリンピック選手村に入ると語りました。
アルゼンチンには3日間滞在し、9日にアメリカへ向かい、11日にニューヨークでNBCのTV番組「Today Show」と「Late Night」に出演。12日にタイ総領事館でマスコミ取材を受け、19日にタイへ帰国するという予定も明かしました。一行にはチェンライ県副知事、メーサイ郡長、さらには救出対策本部長を務め時の人となった元チェンライ県知事のナロンサック・パヤオ県知事ももしかすると同行するかもしれないとのことです。
この調子ではマスコミに追われる状況はしばらく続きそうな雰囲気です。元ののんびりした生活に戻れるのは年明けかもしれません。(取材・文◎赤熊賢)
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