独占! 日本では報道されなかったタイ・タムルアン洞窟サッカー少年救出作戦で生まれた影のヒーローたち!

2018年07月16日 サッカー少年 タイ タムルアン洞窟 ヒーロー 救出作戦 独占

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【本サイトでも第一報を報じました】
サッカー少年たち13人が洞窟に閉じ込められてまもなく4日 海軍特殊部隊が現在も救助活動中!

http://tablo.jp/case/news003478.html

 タイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟で6月23日から大雨で水が流れ込み出られなくなっていたサッカーチームの少年ら13人が、7月10日までに全員救出されました。

 長く真っ暗、狭い場所もあり、行く手をはばむ泥水は視界がほとんど利かず、酸素濃度が低下していく洞窟内での救出活動はまさに「ミッション・インポッシブル」に思えましたが、世界各国からの技術と知識を結集しての異例な合同作戦の結果、「誰もができないと思っていたことを世界で初めて成し遂げ、ミッション・ポッシブルに」することができたのでした。

 今回の救出作戦にはタイ国内外から数千人が参加し、日本では報じられていない数多くのヒーローが生まれました。そんな人々を少しでも紹介したいと思います。


ナロンサック・オサタナコーン元チェンライ県知事

thai001.jpgBBCニュース映像より


 まず忘れてはならないのは、救出作戦の陣頭指揮を執ったナロンサック・オサタナコーン氏。会見で「ミッション・ポッシブル」発言をした本人です。当初はチェンライ県知事として陣頭指揮を執っていましたが、従来からの政府決定に従い7月6日になんと隣県のパヤオ県知事に異動してしまいました。

 しかしその代わり対策本部が設けられ、その本部長に就任して指揮を執り続けたのです。17日間で睡眠11時間という激務でしたが、ナロンサック氏の有能ぶりは毎日の会見から良く伝わってきました。さらに救出に当たった海軍特殊部隊「SEAL」にツテを持っていて直ちに出動要請をできたことも結果を幸運に導いたのは間違いありません。

 なおナロンサック氏は推理物の映画や小説が好きで、『名探偵コナン』の大ファンだとナロンサック氏の妻が語っています。


海軍特殊部隊SEAL司令官アーパーコーン・ユーコンゲーウ海軍少将

thai002.jpgNHK WORLDより


 実際の救出に最前線で当たったのは、タイ最強の海軍特殊部隊SEALでした。23日夜に出動要請を受け、パタヤ近くにある本拠地サタヒープ海軍基地から飛行機で急行し洞窟に着いたのは翌24日午前2時頃。当初は難しくない任務だと思っていました。

 しかし海での潜水は得意でも、真っ暗で長く潜らなければならない洞窟の潜水が思うようにいきません。そこで洞窟潜水の外国人エキスパートの力を借り、信頼し合うことで救出作戦を成功に導きました。

 現場に緊張が走る場面が2度あったそうです。1度目は最初にイギリス人ダイバー2人が少年らを発見した後、7人の海軍特殊部隊員が続けて向かって23時間も音信不通になった時でした。イギリス人2人は5時間半で戻ってきたことから、遅くとも7-8時間で帰ってくるものだと思っていたので、全員命を落としたかと思ったそうです。

 結局23時間後に帰ってきたのは3人だけ。残りの4人は空気ボンベの空気を使い果たし戻って来られませんでした。帰ってきた3人も身体のコンディションが悪くそのまま病院送り。過酷な状況が窺い知れる話です。

 もう1度は、元海軍特殊部隊員のサマーン・グナン一等海曹が命を落とした時。空気ボンベを洞窟内に配置する作業に外国人ダイバー4人とタイ人1人と共に当たっていました。外国人4人は任務を終えて3時間で帰って来たものの、タイ人2人は帰ってきません。結局帰ってきたのは1人だけで、事故があったとの報告がもたらされたのでした。

 司令官自身も一時は救出が成功する可能性はとても低いと考えていましたが、「見つけるまではやめない」と宣言したとおり任務を遂行したのでした。成功の秘訣はひとえにアーパーコーン司令官の、部隊だけに固執せず多くのエキスパートの意見を取り入れ協力して任務にあたる柔軟性にあったように感じます。

 救出終了後も今回の経験を活かし、特殊部隊訓練課程に洞窟潜水訓練を追加し、最新器具の導入を図ると述べています。

 なお、英雄サマーン・グナン氏を実に7階級特進で海軍少佐に任ずる国王の告示が7月14日付けで官報に掲載されました。


パーク・ローハーンチュン軍医中佐

thai004.jpegPPTVより


 今回の救出で女性から一番注目を集めたのはこの人かもしれません。人呼んで「地上最強の医師」。パーク軍医は陸軍に属しながら陸海空軍の特殊任務過程を次々と受け修了するという究極の資格マニアです。

 海軍特殊部隊SEALの課程ももちろん修了済みで、SEAL隊員は会っただけで存在感が違うので自分もあのようになりたいという思いから受けたのでした。さらにイラクに派遣された経験も。

 イギリス人ダイバー2人に続いて少年らのもとに向かった7人のうちの1人で、その後全員が救出されるまで少年らと一緒に過ごし擦り傷の治療に当たるなどしました。10日に洞窟から出てきた際の第一声「即席麺を食べたい」は、中佐なのに庶民的だと大きく報じられました。


クリーニング店主女性ラウィンマート・ルールートさん

thai005.jpg

Facebookより


 地元チェンライ県でクリーニング店を営むラウィンマートさんは救出活動従事者の服の洗濯ボランティアに参加しました。少年ら全員の救出完了後、海軍特殊部隊SEALの隊員が彼女のもとに初めて現れ、部隊章のプリントされた服を手渡してこう言ったのでした。「記念の品です。」

 ラウィンマートさんは「TVで見てからまさか会えるとは思っていなかった。ありがとうございます。写真撮影には応じてもらえませんでしたが、写真以上に価値のある思い出を頂きました」と自身のfacebookに投稿しています。

 さらにSEAL隊員からお別れの挨拶の電話も貰って涙したそうで、タイのSNSで心温まる話として大きな話題となりました。

 なおSEALグッズはサタヒープ海軍基地に隣接する「Thai Island and Sea Natural History Museum」内にある海軍特殊戦争司令部土産物店で購入することができます。Tシャツやキャップなどが販売されていて、今や購入に訪れる客で大賑わいだそうです。


イギリス人ダイバー ヴァーノン・アンスワースさん

thai006.jpg

新聞thairathより


 今回幸運だったことの一つが、経験豊富なダイバーのアンスワースさんがタイ人と結婚してチェンライ県在住だったことです。現場の洞窟に最初に入ったイギリス人で、海軍特殊部隊SEALが前進できないのを見て進言して、イギリス洞窟救助協会(BCRC)に所属する洞窟ダイビングの世界屈指のエキスパートをイギリスから呼ぶ仲介役を果たしました。

 アンスワースさんが呼んだイギリス人ダイバー2人が、7月2日に少年ら13人を発見しました。この2人の他にもBCRCから多くのダイバーが駆け付け、最前線で救助に当たったのです。

 救出完了後の7月12日には、タイ政府観光庁総裁がイギリス人ダイバーらをチェンライの有名寺院やホテルでの食事、スパへと観光案内をして労をねぎらいました。


ナコンパトム県の強力パワー排水ポンプ業者チーム

thai007.jpg新聞kapookより


 救出を行うにあたり最優先で必要だったことは洞窟内の水を排水し水位を下げることでした。バンコク西隣のナコンパトム県で普段はエビや魚の養殖池の排水を請け負っている業者が、報道を見て全長12~18メートルもある強力な性能を誇る排水ポンプ4台を遠路トレーラーを運転して持ち込み、6月29日から洞窟内や周辺の排水に加勢しました。

 作業を11日に完了し12日夕方にナコンパトムに帰着すると、沿道には大勢の市民が出て手を振り温かく出迎えました。そして県名物の巨大仏塔「プラパトムチェーディー」前広場では音楽演奏に迎えられ、チームの人々らは首に花輪を掛けられて歓迎を受けたのでした。さながら英雄の凱旋パレードの様相です。


トラン県リボン島のツバメの巣取り集団

thai008.jpg

Wokpoint Newsより


 最後に実はもっとも話題となったかもしれないのが、タイ南部トラン県のリボン島で高級食材ツバメの巣を取ることを仕事としている人達です。

 この集団、日頃からツバメの巣を取るために洞窟に入っているため、山登りから洞窟の縦穴・横穴に入ることはお手の物。それでタムルアン洞窟内に通じる穴探しを買って出たのです。参加者の中にはツバメの巣取り歴30年の大ベテランも。

 陸軍や国境警備警察と共に洞窟上の山を登り、穴を一つ一つシラミ潰しに調査します。ロープ一本で器用に未知の穴にスルスルと上り下りする姿がTVで報じられていました。7月4日、少年らが発見されたことで帰ろうとしたところ飛行機出発の30分前に陸軍から戻って来てほしいとの連絡が入り、また穴探しを再開したという逸話も。

 結局少年ら全員の救出が終わるまでに洞窟内へ通じる穴の発見に至りませんでしたが、帰路の航空券はエアアジアが12人分を無料で提供し、チェンライ空港長もプレゼントを贈呈するほどの歓待ぶり。

 トラン県知事もツバメの巣取り集団をトラン県人のお手本として歓迎パーティーでもてなすと語っていたので、歓待されていたことでしょう。また、リボン島の名がタイ全国に広まったので県としては観光客を呼び込めると大喜びのようです。

 さらに地元リボン島に帰った12人は、集落住民200人に歓迎パーティーで2日間温かくもてなされたのでした。


 ......このように有名無名の多くのヒーローによる献身と団結で、13人を無事に救出できたのです。ハリウッドから映画化の話が持ち込まれているのも頷けるドラマチックな出来事でした。(取材・文◎赤熊賢)

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