夏休みの海外旅行をそろそろ計画している方もいるのではないでしょうか? でもご注意。こんなツアーに当たってしまったら嫌だぞという事件が、海外旅行先人気上位のタイで起きました。
ことの経緯はこうです。5月5日、タイを観光で訪れた中国人ツアー客10人を乗せた観光バスがパタヤでパラゴムノキから採れる天然ゴムを使った商品の販売店に立ち寄ったところ、商品を購入した客が1人だけだったことに男性ガイドが突如激怒し出したのです。
男性ガイドは声を張り上げて、
「商品を買わないのなら車から降りろ!」
「明日はもう車に乗せないからな!」
「自分でバンコクに帰る車を呼べ!」
と商品を購入するよう恫喝。
この様子をツアー参加者が撮影した動画がfacebookに投稿されると(やっぱり!)、中国で瞬く間に拡散し、300万再生される騒ぎに発展してしまいました。
中国のメディアも「タイで旅行会社のガイドが中国人ツアー客らに商品を購入するよう脅迫。ツアー参加者らは危険を感じ自費で9日に帰国」と報じています。
身の危険を感じるツアーとは!?
そう、恐怖で身の危険を感じたツアー客らはツアー日程を途中で切り上げ、自腹を切って中国に帰国したのでした。
このツアーは中国国内の旅行会社で販売されたものですが、契約内容には「商品を強制購入させることはしない」と明記されていました。それにもかかわらずこんな目に遭ったら、いくら格安ツアーでも浮かばれません。
動画には、
「タイへ行くならツアーは避けるべき」
「タイは旅行に行くべきじゃないな」
「なぜ最近タイ観光は悪いニュースばかりなんだ?」
とのコメントが付いています。
実はつい最近、バンコクのドンムアン空港で中国人ツアー客の首に花飾りをかける女性が無愛想過ぎると批判の声が起き、会社がクビにする騒動が起きたばかりなのです。
観光が主要産業の一つのタイ。イメージ悪化を恐れたのか警察の動きは素早いものでした。11日には容疑者の"中国籍男性(21)"を無資格で観光ガイドを営んだ罪で逮捕したと記者会見を開いたのでした。
取り調べに対してこの男性は、もっとカネを使うように要求したところ拒否されたので脅したと供述しています。
さらにこの男性ガイド所属先の現地旅行会社オーナー2人にも観光産業に損害を与えた罪と無資格観光ガイドを雇用した罪等で逮捕状発行を裁判所に請求中。
このガイドが"タイ人ではなくて"、タイの観光業界の人々は胸を撫で下ろしたことでしょう。そもそもタイ人有資格観光ガイド(外国人は資格取得不可)に悪い人は少ないので、よほど運が悪くない限りこんな目に遭うことはないのでご安心を。それよりも食中毒にご注意ください!(取材・文◎赤熊賢)
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