「ナチス騒動」で、ミソをつけられた欅坂46。他の48、46グループにも飛び火しないか、ファンが気にしているさなか、唯一と言ってよいかもしれない快進撃を続けているのがHKT48だ。
HKTがアイドルとして魅力的に写る要因は大きくわけて「家族のような一体感」「積極的な若手起用」「ファン目線のコンサート」「人材の宝庫さ」の4点だと考える。
■HKT48を支える四つの柱
最も重要な役割を果たしているのが指原莉乃と多田愛佳だ。2011年の結成当時、平均年齢が13.8歳と子どもばかりでスタートしたHKTにとって、経験豊富な二人のAKBからの加入は極めて重要だった。指原と多田は、「初日」を歌っていた時代の旧チームBにおける浦野一美、平嶋夏海が担ったように、メンバーを指導し、かつ精神的支柱となりHKTにおける両親のような存在となった。そんな二人の為に、と若いメンバーもまとまりながら活躍していくなかで、HKTには家族のようなグループの一体感を感じるようになった。グループとして団結していて、かつ仲の良さが前面に出ているアイドルグループは輝いて見えるものだ。
1期生の平均年齢13.8歳で活動をスタートさせたHKTはその後も「積極的な若手起用」を行ってきた。2期生で加入したばかりの田島芽瑠(当時13歳)をデビューシングルのセンターにし、3期生矢吹奈子、田中美久のなこみくコンビ(当時12歳)を選抜に入れ、ドラフト2期生の松岡はな(16歳)をシングルセンターに抜擢。若いメンバーを取り入れながら常にグループのフレッシュさを維持させ、他の48グループが陥ったマンネリ化を回避しようとしているのが目にみえる。
女性アイドルの可愛さのピークは17~18歳だと私は考えているのだが、HKTは若手を前面に押し出すことで、そこに至るまでの成長の過程を思う存分堪能させてくれる超優良グループだと感じる。
ネットや口コミでは「HKTのコンサートがとにかく楽しい」ともっぱら評判だ。その理由としては、最近の48グループのコンサートには欠けていた「ファン目線を取り入れていること」が大きいと考える。自他ともに認める生粋のドルオタである指原がコンサート企画に関わることで、新規・古参どちらのファンの気持ちも汲んでくれる内容になっている。セットリストでは新規でも知っていそうなHKTのシングル曲やAKBの代表曲をいれつつ、名曲と言われながらもAKBのコンサートでは歌われなくなってしまっていた過去の劇場公演曲も組み込むことで古参をもうならせる。さらには意外性として、乃木坂や欅坂、はたまたモーニング娘。の楽曲まで取り入れてしまうなどの柔軟性も併せ持つ。
また、メンバーとの距離の面でも配慮されており、2階席3階席のファンが取り残されないようにトロッコで通路を移動してみたり、メンバーをロープで吊って目線を合わせる工夫までなされている。
MCでの指原、ボスこと田中菜津美、おにぎりこと秋吉優花のレベルも高く、そんじょそこらの若手芸人の前説よりはるかに面白い。さらに、メンバーの仲の良さや若手の積極起用も加わることによって、コンサート中のHKTはダイヤモンドのようだ。
上記のような3つの要因がそろったアイドルグループも極めて少ないわけだが、何より姉妹グループにはないのが「人材の宝庫さ」だ。
史上初総選挙2連覇の指原莉乃、今やAKBのセンターすら務める宮脇咲良、博多の絶対的エース兒玉遥の3強を筆頭に、多田愛佳、松岡菜摘、森保まどか、朝長美桜、田島芽瑠、矢吹奈子、田中美久などの選抜常連組は言うまでもないが、田中菜津美や熊沢世莉奈、荒巻美咲や坂本愛玲菜などの姉妹グループに移籍すれば中心メンバーが確約されるだけの実力やビジュアルを備えたメンバーも控えている。
■次世代中心メンバー本村碧唯
そんな層の厚いメンバーの中で異彩を放つのがチームKⅣ所属の本村碧唯である。前回総選挙で36位にランクインした実績を持つ彼女の最大の魅力は「癒し」と言われている。容姿・声・喋り方・仕草・性格、そのすべてに愛嬌が濃縮されていているようだ。「アイドルを見て元気をもらえる」、とはよく聞く話だが癒しまでもらえるアイドルにはファンが付くものだ。
本村碧唯を分析するうえで「癒し」と同じくらい外せない魅力が「ダンス」である。今年の2月に行われた、高橋みなみプロデュース「48グループダンス選抜公演」にはHKTから唯一選抜されており、HKTの中ではダンスリーダーとしてメンバーからの信頼も厚い。
さらに19歳になった最近では、大人っぽい曲中での色気のある表情も習得しつつあり、アイドルとしての幅がより広がろうとしている。そういった、今まで出来なかったこと、苦手だったことから逃げずに努力していく姿勢がファンからすれば応援したい気持ちにさせるのであろう。
上記の4つの要因を満たし続ける限り、HKTのファンは増え続けるだろう。そして、いつまでもグズグズしている本店や他の姉妹グループとの差をさらに圧倒的なものにし、48グループが博多を中心としてまわっていくのではないだろうか。
Written by 藤保真吾
Photo by 最高かよ!
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