2014年最初の話題はやっぱり、マー君くんは外せない。東北楽天イーグルスの田中将大投手(25)が米大リーグのニューヨーク・ヤンキースと6年161億円の大型契約を結んだ。これはビックリな金額だった。1年換算すれば23億円となる。これは、広島東洋カープの年棒総額より上だ。日本プロ野球界の最高年棒である読売ジャイアンツの阿部慎之助捕手(34)でさえ、25年プレーしないといけない金額だ。これはなかなか想像できない。マー君は日本の最終年で24勝して、その1勝が1億円分の評価になった。MLBの金銭感覚はよくわからんが太っ腹だ。
まぁ、金の話しはこの辺にしておこう。みんなが気になるのは、果たしてマー君がアメリカで通用するのかという話だろう。間違いなくそこそこ通用はするだろうが、突出した結果は残せるかは微妙な感じだ。
ヤンキースは打線の軸のカノーがFAでマリナーズに行き、Aロッドは出場停止処分で試合には出れない状態。さらに他チームにとって最大の難所だったクローザーのマリアーノ・リベラは引退と、かなりの戦力ダウンとなっている。そしてマー君は先発ローテーションの一角として投げるから間違いなく球数制限がある。そうなると現状の戦力では日本でのように勝ち星を重ねて行くのはかなり難しくなるのではないか。
特にヤンキースは中継ぎ以降が不安なだけに、勝ち投手の権利を持って降板しても逆転される可能性も高く、打線も弱くなっただけに2点で押さえていても1点しか援護を貰えないといった展開も多くなるだろう。いくら実力を発揮したとしても、結果に繋がらない試合が増えそうな気がするのだ。それに、ニューヨークのヤンキースファンは熱狂的だし、結果にはかなりシビアだ。調子が良い時の期待や歓声と悪い時の罵声に、マー君が耐えて行けるのかという不安要素もある。
それとやはりヤンキースの外国人選手は注目度が高いので、地元マスコミから格好の標的になる。大型契約しただけに成績が悪ければ、すぐにかつての井川慶投手(34=現オリックス・バファローズ)を引き合いに出して、「無駄金を使った」などと叩きにかかるだろう。 それだけにマー君には内容よりも結果を残すことが何よりも求められている。そう考えると、マー君に課せられたノルマは最低でも15勝といったラインだ。
ヤンキースに移籍決定したマー君には、グラウンド外でも2つの懸念材料がある。それはヤンキースの選手はかなり女性にモテるということだ。2001年にニューヨーク・メッツのボビー・バレンタイン監督(当時)を取材するために現地を訪れた時のこと。地元の日本人マスコミに聞いた話では、イチロー外野手(40)が大リーグ移籍1年目の時、ニューヨークに在住する日本人女性との親密な関係をヤンキース番の記者に嗅ぎ付けられたらしく、イチローが調子を落としたタイミングでリークの準備をしていたという。だが、そこは流石にイチローだ。その直後にぐんぐん調子を上げてきたので、このスキャンダルは公開されるタイミングを逸して闇に葬られたとのこと。
当時のイチローはシアトル・マリナーズという地味な地方球団に所属していたから助かったものの、注目度では桁違いなヤンキースに所属するマー君も女性関係を狙われるのは必至なので注意してほしいところだ。マー君って田舎の優しいアンちゃんみたいであまり遊びが上手そうに見えないけど異国の地でストレスも溜まるだろうし誘惑も多いだろう。くれぐれも変な女には遊ばれない様にしないと。
そしてもうひとつの懸念材料は奥さんの里田まいさんだ。本当に良い奥さんで、食事の管理も夜の管理もしっかりしているのだろう。こうした家庭内での充実がなければ24勝0敗なんて成績は絶対に無理である。だが、多国籍都市のニューヨークは住み慣れた日本とは180度環境が変わる。MLBは全米を移動するため、家を空けることが多くなるが、そこで彼女は精神的に耐えられるのか。ニューヨークと言う大都市で一人で家を守って居られるのかが気になる。
まい夫人も英語の勉強はしてるとは聞くが、おバカキャラだっただけにどれだけ使い物になるのかははなはだ疑問だ。また、環境の変化やそれに伴う夫婦の微妙な関係がマー君にとって余計なストレスにも成りかねない。マー君同様に、まい夫人にも今までとは比べ物にならないくらいの相当な努力が求められているのだ。
最後にマー君は日本プロ野球の代表として、アメリカなんぞには絶対負けないで欲しい。大活躍してくれる事を願っている。
Written by 愛甲猛(元プロ野球選手、野球評論家)
Photo by 東北楽天ゴールデンイーグルス 田中将大 KISEKI プロ7年間の軌跡と奇跡の無敗記録
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