プチ鹿島の「余計な下世話」

連載2回目:プチ鹿島の世相コラム「余計な下世話!」~アントニオ猪木はなぜ維新を選んだのか~

2013年07月30日 アントニオ猪木 プチ鹿島 参院選

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 今回の参院選にアントニオ猪木が出馬、比例区で当選した。

 なぜ「日本維新の会」から出馬したのだろう?これ、憶測にはもってこいのネタだと私は考える。

『維新幹部によると、猪木氏から立候補の打診があったという。』(6月5日 朝日新聞)

 朝日の報道が正しければ、猪木側の売り込みだったことになる。なぜ自民党ではないのか?自民党は猪木より格闘家としてはるか格下の佐竹雅昭氏を擁立した。猪木側が本気なら自民の「格闘枠」横取りの目はあったはずだ。でも維新の会を選んだ。

 自民にはなくて維新にはあるモノ。それは「カジノ構想」だ。

 石原慎太郎も橋下徹も「日本にカジノを」と以前から主張している。

 現在の猪木のスポンサーはどこか。プロレスファンなら猪木が会長を務める団体「IGF」の有力スポンサーがパチンコ・パチスロメーカーであることを容易に思い出す。

 こんな絵が浮かぶ。
「将来のカジノ解禁」に備え、維新の有力議員に食い込むためにパチンコメーカーは猪木を送り込んだ!?説である。

 ここにあるニュースをかませると、この見立てはさらに興味深くなる。

 今年の3月14日、朝日新聞の「スクープ」があった。引用しよう。

【石原宏高議員側が運動員要請 UE社派遣、法抵触の疑い】

<自民党の石原宏高衆院議員(48)=東京3区=側が昨年12月の衆院選で、大手遊技機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(UE社)に支援を要請し、同社社員に選挙運動をさせていたことが分かった。同社側は社員3人を派遣して給与も支払い、その法的問題を弁護士から今年2月に指摘されたことを認めた。石原議員は、朝日新聞の取材に「お答えできません」と述べた。今後、公職選挙法違反(運動員買収)に問われる可能性が出てきた。

 UE社はフィリピンに巨大なカジノリゾート建設を計画中。石原議員は日本国内でのカジノ容認を政策として表明しており、UE社側によると「カジノ解禁を唱えており、社としておつきあいがある」という。 > (朝日新聞 3月14日)

 石原宏高は慎太郎の三男。メーカーの狙いは慎太郎だろう。このニュースは、カジノ解禁を唱える石原家にパチンコメーカーが近づいている様子がわかる。

 だったら別のパチンコメーカーも石原家に近づくことを考えてもおかしくはない。それが「刺客・猪木」でもおかしくない。

 でも不思議なのはこのあとだ。朝日新聞はこの調査報道を続けるのかと思ったらピタッと動きが止んでしまった。維新の側もこの報道以来、声高にカジノを主張するのは控えている感じがする。

 なかなか続報がないので私は4月にツイッターでこうつぶやいた。


『朝日の「石原宏高とユニバーサルエンターテインメント」。おもしろい調査報道になるかと注目していたらとんとご無沙汰。とん挫したのだろうか。』

 今もお互い水面下で様子見状態なのか?

 そんな緊張状態の中、猪木がカジノ目当てで維新に張り切って参戦してきたら......。

 間が悪い。

 猪木が維新で浮いている一因か!?

 そういえば、猪木の有力スポンサー名は「平和」だった。

「猪木、維新軍団を電撃離脱!スポーツ平和党を再旗揚げ!」。この展開予想もプロレスファンのたしなみとしては悪くはない。

 すべてはプチ鹿島の妄想です。以上、今週の余計な下世話でした。


Written by プチ鹿島

Photo by 踏出力。―人間「アントニオ猪木」から何を学ぶのか/創英社/三省堂書店



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