2020年の東京オリンピックを見据えてか、警視庁が各暴力団に「2020年までは大きな抗争を起こさないでくれ」とのお達しがあったと聞く。また暴力団排除条例によって芸能界、相撲、ボクシング、格闘技等の興行関係者は、彼らとの付き合いをなるだけ大っぴらにしないように慎重に動いている。さらに、北九州では日本で唯一「危険」指定された工藤会が福岡県警によって頂上作戦に遭っている。暴力団は壊滅の方向へ行くのだろうか......。
ここに一枚のDVDがある。希望者には販売しているようだが、編集部ではあるルートから入手した。そこには東京下町の祭りの模様が映っている。祭りに喧嘩はつきもので、宮出し、宮入りの際は「ダボ」と言われる半纏を着ていない輩が神輿に突進し、それを半纏を来た、各町内会の人間たちと小競り合いをしている様がYOUYUBE等で視聴する事が出来るだろう。
このDVDにもそのような、祭りの喧騒が映っているのだが、どうやら暴力団らしき人間もかなり映りこんでいる。祭りとヤクザは日本の「伝統」であると言っても良いので、ここまでは、さほど違和感はない。が、よくよく見ていると暴力団幹部らに警備の警察官が敬礼をしている様が映っている。昔は、そうだったのかも知れないが、暴力団排除条例が施行された現在、かなり時代に逆行した行為と言えるだろう。
この祭りの舞台となった浅草界隈では「あのDVD見た?」と一部ではかなり話題になっているようだ。敬礼をしている警察署は蔵前署だという事が関係者への取材によって判明している。
「やっぱり蔵前署とヤクザは昭和の頃からの馴れ合いだね」とDVDを見た浅草の同好会の会長は言う。一方では暴力団への取り締まりをきつくして、一方では制服警察官が暴力団へ敬礼をする。目線でお辞儀をするのではなく、敬礼である。暴力団排除条例とはいったい何なのか。余計にこのDVDを見てわからなくなった。
Written by 田川良
Photo by damonjah
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