自分の立ってる足元見ようぜ!
「いやあ、『SPA!』よりも、うちのほうがやばいですよね〜。『女性器、女性器』ばかり言っていますもん」
「週刊SPA!」の女子大生軽視騒動についてそう話すのは、とある週刊誌関係者。騒動については弊サイトでも既報の通りですが、
『週刊SPA!』の「ヤレる女子大生企画」が大炎上 周囲から聞こえてくる「いつかはこうなると思った」の声
当の、同企画の堂々2位にランクインし、同誌に、
<株式会社扶桑社発行の週刊誌『週刊SPA!』2018年12月25日号において、女性軽視、女性蔑視につながる内容の記事が掲載されました。本学は、女性の名誉と尊厳を著しく傷つけ、安全を脅かす記事に対し、深い憂慮を表明するとともに、本学、本学学生及び卒業生を代表し、出版社に対し、厳重に抗議いたします>
との声明を出した、O妻女子大学卒業生である筆者も一言、言いたいのです。
いや、いまさらかよ。ランキング10年以上は確実に変化していないよ、と。
筆者が同大学を卒業したのは10数年前。入学当時からすでに「ヤレる女子大」として名を馳せ、入学式が行われる市ヶ谷校舎にはサークル勧誘をする他校男子大学生たちが押しかけ、乗車率120%の満員電車並に道を塞ぐのが風物詩となっていました。
そうした現象について、部先輩や他校男子大学生に尋ねると、
「"ヤリ妻"って呼ばれているからね」
との共通認識を語っていたものです。しかし筆者が通った多摩校舎は、「ヤリ妻」とは程遠い印象な上、「ヤリ妻」という言葉すら知らない学生が多いのも事実。そうした疑問について多摩校舎の先輩に聞くと、
「ヤリ妻は、主に市ヶ谷に通っている人たちのことだからさ」
と、必死に"わたしたちは違う"という根拠なき線引きをするのでした(そんな線引きが多摩校舎卒業生の筆者に根付き、就職後、怖い上司に「わたし、ヤリ妻出身なんっすよ(笑)。でも実際ヤリ妻って、市ヶ谷校舎だけみたいですけどね(笑)」と自虐的に話したつもりが、「うちの奥さん、そこ、出身」と言われ、凍り付くのはまた別の話です)。
実際に市ヶ谷校舎に通っていた友人はというと、
「週4で合コンしている」「男を切らしたことがない」「朝、登校して講義室の扉をあけて、自分が一番ダサかったらいったん新宿に行って服を買い直してから、登校する」
と言っていたのを強烈に覚えています。さらにそんな友人と一緒にK産省の男性と合コンをしている最中、
「はるちゃんてヤリマンだっけ? あ、違うか、サセコだったか(笑)」
と言われたことは、一生忘れないと思います。
つまりそういうことなんですよ。
「ヤレる」とか、「サセる」という表現が、=軽視に繋がり、許せない人も多いのではないでしょうか。実際にヤリマンでも、「『ヤレる』じゃねえよ。こっちがヤリたいからヤッてるんだよ」と、声を大にしたい人もいるはずです。「SPA!」の企画も、主にギャラ飲み現場についてだったかと思いますが、ギャラ飲みに参加している時点でヤル気マンマンです。わたしたちは、ヤレるんじゃない。ヤル気があるときに、ヤリたい男と、ヤッているだけだーーといった想いは、四半世紀前から常々ヤリマンの間で主張されていたことと思いますが、そんな事情は軽視男性と、同大学というだけで雑にくくられてしまったヤル気のないO妻女子大生には関係ありませんよね。
一方その頃、平成最後の中年男性欲望扇情装置こと「週刊大衆」の企画はというと......。
<2019 SEXしたい芸能女優&女子アナ 名器No.1ランキング>
んまあなんてお下品! とお思いでしょうが、皆さまならお気づきかと思います。「ヤレる」ではなく、「したい」。これは大きな違いですよね。同誌の長寿連載漫画「感じる人妻」(著:浅田圭)でも、主人公の男性が常々「ああ〜ヤリたいなァ。でも俺なんかなァ」と憧れを抱いている人妻と、一度は性交に成功するものの、最終的に人妻は去ってゆく「とほほ」なパターンが毎週描かれています。人妻は必ず、ヤルときも去るときも主体的です。主人公が「この人妻、ヤレる」なんて軽視したことは、おそらくないはずです(「オッ! 今日はイケる!」と小さくガッツポーズをすることはあり)。
やはり男たるもの、ギャラ飲みに女性器半開きでくる女性よりも、無理めな女を落とすという大志を抱けーーといったことを、週刊大衆はいつの時代も教えてくれるのです。(文◎春山有子)
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