病原菌の国・東京から田舎へお盆帰省した話 義母の開口一番「東京差別ギャグ」に動揺 コロナ禍に見た地方の人々の真の姿|春山有子

「なんでこの時期に東京から来るのですか? 知事がテレビで言っているでしょうが!! 知ってるのかよ!! 良い年しい、何を考えて居るんですか? この辺りは小さい子どもも居るのです。そして高齢者もでる。さっさと帰って下さい!! 皆の迷惑になります。安全だと言いきれますか??」

すぐに夫が義兄に、「そっちにこういうビラ貼ってない? 大丈夫?」と身の安全を確認するメールを送ると。

「うちは真っ当なご近所付き合いしているし大丈夫やろ(笑)」

「それだけ東京は未知の国ってことやね。田舎からすると。東京行ったら100%かかると思われてるから」

この言葉に、1月末から現在までまったくの無感染ですごしている都民の筆者たちと、報道でしか東京の姿を知ることができない人たちとの間に、とてつもないギャップが生じていることがわかりました。

 

でも、筆者たちは差別に合わなかったし、実家の人たちからの感染したという報告は今のところなし。「東京は100%感染する」「田舎は100%差別する」という他人が作った空気に乗らず、自分の目で確かめることができて、よかったのかもしれません。

実態は掴めないけれど、空気はたしかに漂う、感染者や疑わしき地域の人間への差別心。それは、新型コロナウィルスを含んだ飛沫が空気に乗るように。感染するなら、差別心には感染したくない、コロナだけで十分だな、そう思うに至った、特別な、2020年・夏。(文◎春山有子)

 

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