病原菌の国・東京から田舎へお盆帰省した話 義母の開口一番「東京差別ギャグ」に動揺 コロナ禍に見た地方の人々の真の姿|春山有子

ビビる義父、自粛を促す報道

帰省から遡ること2週間、義母から豪華なハムが届きました。

「今年は帰れんやらあ? 無理せんでええんやからね。わたしも孫たちもあんたらに会いたいけど、お父さんがビビってますよ」

その頃、東京都の感染者数は300人の大台に乗りつつあったことで、さすがにわたしたちが帰省をしないと踏み、先回りして気を使を使ってくれ“お土産”を送ってくれたのです。

義父は介護施設でパートをしており、施設長から「くれぐれも迷惑をかけないように」と、毎日口すっぱく言われていると言います。高齢者ばかりの介護施設でそうしたアナウンスが行われるのは当然でしょう。だから、筆者は夫を通じ、義母にこう伝えました。

「ずっとマスクもしているし、ソーシャルディスタンスも守るから。顔を見せに行きます」

なんでも受け入れる精神の義母は、「ほうか。なら遠いので気をつけて来てね。みんな待ってます」と、やはりここでも受け入れてくれました。

しかし、日を追うごとになにやらマスメディアが物々しくなってゆきます。帰省に関するアンケートを取り「帰省しない派70%超」と、圧倒的多数決を見せつけマイノリティをひるませたり、「各県知事が、帰省を控えるようにアナウンス」と報じ、そうこうしているうちに当の東海某県が緊急事態宣言を出すではないですか。

さらに8月6日、東京都知事の小池百合子も、帰省予定の人たちに二の足を踏むよう後押しします。帰省前日、わたしたちはすでに夫の実家には宿泊しないことを決め、実家から2時間の距離にある宿に予約を済ませた直後のことでした。

「この夏は特別な夏。コロナに打ち勝つのが最優先の夏。都外への旅行、帰省についてはお控えいただきたい。離れて暮らす家族、親族とは電話などを通じて話してほしい」

時同じくして、義実家で同居する義兄から夫あてに、きっと百合子の報を見たのでしょう、こんなメールが届いたのです。