病原菌の国・東京から田舎へお盆帰省した話 義母の開口一番「東京差別ギャグ」に動揺 コロナ禍に見た地方の人々の真の姿|春山有子

調べると、たしかに感染したX市在住の夫婦がともに死亡した報道はありました。ですが、「その娘が自殺した」という事実まで追うことはできず。義父は自分の姉から聞いたといい、ツイッター上には義父と同じように「そういう噂を聞いた」というひとが、数人ほどいることが確認できました。

その日の夕方、宿に着き現住所を記帳しても、宿の大将は顔色ひとつ変えず筆者らの子どもを見て、「この子、トイレ行きたいんやないかい? あっちやぞ。早く行ってあげな」と親切に促してくれます。隣県には「東京都民お断り」と掲げる宿も見つけましたが、ここにはそうしたピリピリムードは一切ありません。

 

都民に対して抱くイメージに感じるギャップ

夜はタクシーで地元の焼肉店へ。運転手と世間話をしてみると、

「今年は壊滅的やね。ここらの花火大会もなくなったし、ほら、あそこに見えるホテルあるやろ? あそこ、軽症感染者の受け入れホテルにしたんやて」

すると子どもが、急に核心をつきます。

「とうきょうのひとはくるの〜?」

筆者は「ちょ!」と思いましたが、気になる運転手の反応はというと。

「と、東京かあ〜……あはは(苦笑)おらんなあ(苦笑)」

明らかに戸惑いが感じられます。ここで子どもが「おれたちとうきょうからきたよ」と言わなくてよかった、と安心してしまいました。

翌日、近辺の遊園地で遊ぶことに。数年前のGWに来た際に、客が20組ほどしかおらず心配になるような遊園地でしたが、プール開催中のこの時期、駐車場が半分以上埋まっているようで、ほっ。スタッフのおじさんに話を聞くと、「去年のこの時期は3000人来たでな。今日は300人や」と、照りつける太陽に目を細めながら教えてくれるので、思わず「乗って応援!」と拳をあげ、アトラクションに散財しまくり。

十分に東海某県を満喫したところで、帰路へ。車中、こんな報道を目の当たりにし、思わず「マジで!?」と声をあげてしまいました。

<玄関先に“中傷”するビラ 青森の実家に帰省>

FNNプライムオンラインによると、「帰省したことを中傷するビラが置かれていた」といい、被害を受けた男性は、「ニュースの中でも取り上げられてはいたので、まさか青森でもそういうことが起きてるとは思ってもなかった」とコメント。ビラには、こう書かれていました。

 

関連記事:東京都民よ、岩手県民のリテラシーを見習え 新型コロナ感染者ゼロの理由「岩手県第一号になっていはいけない」 | TABLO