石原、猪瀬、青山、生島、落合…60歳超えてケンカ自慢するおじさん 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(5)

(前回より)
宿敵・井筒監督に新幹線内で遭遇した三谷幸喜 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(4) | TABLO

 


「青山繁晴さん、身体から金粉が出るんだって」

(前回からの続き)
博士:で、よりによって、俺の隣に座ったんですよ。通路を挟んで隣。小朝師匠が。俺はもちろん共演したこともあるし、ていうか芸界の中では大師匠ですよ。すぐ気がついてお互いに「どうも! お久しぶりです」ってなって。しかし、今、まさに泰葉の章を書いてる時じゃん。それで、すぐに通路を挟んでるから、立ち上がって行って、「師匠、迷惑をおかけしますが」って。

町山:知ってんだ?

博士:いや、泰葉とボクが今、仲が良いっていうのは、メディアではあちことで言ってたから。けど、師匠はそこは何にも知らなくて、「え、何の話?」って。「泰葉さんと今仲良くさせてもらってるんです」って言ったら……じっと俺を見つめて「あなたにも、迷惑をかけてる?」って。

町山:はははは。

博士:そこから、一回別れたんですよ、ボクは席に引き返した。でも自分の中で忸怩たる思いがあるんですよ、だって泰葉さんの話書いてるんだから、最後の章で。だまし討ちみたいな、俺はそういう卑怯は出来ないんですよ。
で、師匠のお連れのお隣の方がトイレ行った瞬間、師匠が一人になった時に、もう一回行って、「師匠申し訳ありません!」ってパソコン持っていって、「実はボク『藝人春秋2』っていう本を書いていて、最後の章は師匠が出てきます、泰葉さんの話を書いてるんです」って「お時間をいただくことになりますが、今、この原稿を読んで見てください。俺は卑怯なのは本当に嫌なので、スキャンダルは書いてません。美談しか書いてません。一応、見てください」って。
そしたら小朝師匠が「それには及びません。人の原稿を見てとやかくは言いません。お座りください」って言って、そこからボクに談志師匠の想い出話と芸談を始めるっていうのが、来週からの文春の『藝人春秋Diary』の方に続きます。

町山:それがね、本の最後は、本当にいい話としてオチるんですよ。

博士:本のラストは談志師匠の「芝浜」だけど、この事件は7月なの。で、今まで寝かしていた。要は、この本の下巻の最後にタイトルに「芝浜」って書いてますけど、その「芝浜」が今度は春風亭小朝によって再び語られるっていう。しかも大晦日って……そこまで凝ってる。

町山:でも誰も気がつかない(笑)

博士:下巻のエピローグのタイトルが「芝浜」で、財布を拾う落語の噺だけど、ちなみに上巻でボクが「タモリの財布」を拾う話があるでしょ。それがフリになっているの気が付きました?

町山:気が付かないよ!!

博士:やっぱり(笑)。でも、信じられる~? って思うじゃないですか。金髪豚野郎って書いてる横にいるんですよ。品川から入ってくるんですよ。もう、目を疑うほど、びっくりした。

町山:へえ~。

博士:井筒監督の話もまさにそれですからね。三谷さんの原稿を書いてたら、井筒監督と、たまたま新幹線で出くわしてって、その原稿を俺が見せるっていう話だから。つまり同じ話なんですよ。井筒監督は読んで、「ジブンなー…」って言って、そこから始まるっていう話なんです。