石原、猪瀬、青山、生島、落合…60歳超えてケンカ自慢するおじさん 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(5)

(下巻 P20)
 法政大学を中退後、20歳で単身渡米し空手のインストラクターとなる。『筋肉番付』『スポーツマンNo.1決定戦』で何度も優勝したケイン・コスギの父にして後に『ニンジャ』シリーズで一世を風靡するショー・コスギと共に、この頃、全米各地を空手ショーで巡業した。
 そして当時、世界的に有名だったマーシャルアーツの王者〝怪鳥〟ベニー・ユキーデと、ロスのオリンピック・オーデトリアムで対戦が決定!! 
 ……したのだが、最終的には双方の諸事情により流れたという。
 ベニー・ユキーデはその後、ジャッキー・チェンの主演映画『スパルタンX』で敵役に抜擢される。そのスタントの美麗さからジャッキーが自らの後継者に考えたほど、映画界においても次代のアクション・スターとなり得る逸材だった。
 このあたりの詳しい話は、ボクも共演するたびに何度も生島ヒロシ本人に語ってもらっている。その際、「もしロスの試合が決まっていたら、生島さんが『スパルタンX』にジャッキー・チェンの敵役で出演していたかもしれませんね!」とボクが振ると、「それは、なりゆきとしたら、そうなっちゃったかもねぇ!」と一切異を唱えず、満更でもなさそうに目を細めたのだった。

町山:それも『藝人春秋』に書いてあったね。でも、ケンカの強さ自慢する人って、本当に多くて嫌だね。

博士:生島さんのは可愛いですよ。それに、たけしさんの場合は本当に強いからね。そうそう。だけど、小倉さんの100メートルの記録、あれなんかは国会図書館まで行って調べてるから。

町山:10秒9あった?

博士:もちろんあった! 紙(髪)だけに抜けてなかった!(笑)。調べる方も調べる方だけど。

町山:でも青山さんは63歳の日本記録だよ。本当にホラ吹き。でも、博士が青山さんの話を『藝人春秋』に載せなかったのはなぜ? 一緒に仕事してたから、義理があるからってことなの?

博士:……それは思っていたなー。あの頃は義理は感じた。

町山:一緒に仕事してた義理だと。でも青山繫晴って、今、政治家だよ。参議院だよ。二千何百万とか年収もらってて、それでメルマガ12万円で売ってるんだよ。おかしいだろそれ。300億円くらいかけて、硫黄島の遺骨掘らせてるんだよ、でも全然出てこないんだよ、税金だよ? どう考えてもおかしいんだよ。メルマガだっておかしいじゃん。俺メルマガやってる奴一人も信じないからさ。

博士:おれ! おれ! おれ!! やってる、やってる!!
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町山:言ってない、言ってない(笑)。博士には! でも、ああいう信者抱え込みビジネスを議員がやってるの、おかしいだろ。自分で金粉出せるんだから、金要らないだろ。ゴールドフィンガーだよそれ。007が言いますよ。青山さんそれ、刻々と体中が金粉に覆われて、死んでしまいますよ。

博士:青山さんの金粉ショーやりたいなー!! それで、サブタイトル「ゴールドフィンガー」で本を書きたいなそれ。ちなみに、俺、『浅ヤン』で、ヒロミチナカノの『金粉マラソン』ってやってますよ。

町山:なにそれ?

博士:世界的なデザイナーのヒロミチナカノが、たこ八郎と顔がそっくりだから、テリー伊藤が昔、やり遂げられなかった、たこ八郎の金粉マラソンの企画を復活させたの。『たこ八郎、死亡遊戯 幻の金粉マラソン復活』って企画。

町山:くだらない!
まあ、金粉塗っても死なないけどね。そしたらタモリさんもやっているから死んでるはずだから。
で、博士は青山繫晴のこと載せるべきだったよ。国会議員なんだもん。やっぱりさ、権力者とかそういう人はおだてて馬鹿なことやらして、みんなのさらし者にするのが、お笑い芸人の仕事でしょ。はっきり言って。

博士:うん、うん。でもお笑い界で、今、そういうことは俺しかやってないと思いますよ。……爆笑の太田くんは一応やってるかもしれないけど。

町山:太田くんは一応やってるね。

博士:彼らは、時事ネタをしかも、テレビでやっている。基本スタンスはリベラルだし。ボクと一緒。それを俺は場所としては、テレビで漫才を演るのを辞めたって宣言しているから、週刊文春の連載でやってるけど、哀しいかな、ほぼ反響ないですよ。

町山:猪瀬直樹さんに関しても、博士はおだてて面白いこといっぱい言わせてるんだからさ、どんどん露出していけばよかったんですよ。