やしきたかじん曰く「お前(博士)は芸人の目じゃない!」 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(終)

博士:かつですよ、ほぼ出演しているセクシー女優とツイッターで互いにフォローし合う。これは礼儀としてね(笑)。で、DMとか送れるようになるじゃないですか。その時の俺の、「あ、DM送れるんだ!」っていうドキドキ、ないですよ。

町山:実際送らなくてもドキドキする?

博士:いや、実際に送ってますから(笑)。ボク、私生活でも「浮気童貞」っていう設定を続けてるんですよ、もう5000日くらい続いている。衣笠や金本の記録を超えている。で、それを、もし破る時は、自分の中でもうツイッターで「浮気なう」とか、なんなり書くって宣言してるから(笑)。

町山:『お笑い 男の星座』の中で博士書いてますね。飯島直子さんに電話番号教えてもらったんだけど、で、そこにかけたんだけど、あがっちゃって何も言わずに無言で切っちゃったって。

博士:あの話は『藝人春秋2』の下巻でも、要約して書きましたよ。かなり昔の話ですけどね。

町山:いやー、分かるけどね。

(下巻 P121)
「あー楽しかった! ワタシ、芸能界に友達が少ないんですよ。今度、飲みに行きましょうね!」
 立ち去り際、飯島直子が割り箸の袋に自分の電話番号を書き、ボクに手渡したのだ。
「水道橋ぃ、これはお笑いの神様が与えてくれた最高のネタだぞ! すぐ電話しろ! しなきゃクビだ!」  
 興奮するダンカンからの絶対命令を受けたボクは、その日から、ひとり部屋に籠もった。
 あらぬ妄想に悶々とする夜を重ねた、その時!
「言っちゃえよっ、ガツンと言っちゃえよ!」と飯島直子がボクに語り掛けてきた。テレビに映る缶コーヒー『ジョージア』のCMと現実の区別がつかなくなっていたのだ。
 どうにでもなれ!! ボクは意を決して受話器を取った。
 しかし、呼び出し音が鳴り続けるだけだった。「ピ――ッ」という発信音の後、留守番電話に替わった。
「はっ、博士。すっ、す、水道橋です。あ、あ、あの、帰ったら、で、で、電話を下さい!」
 震える声でなんとかメッセージを残した。
 その日の深夜、再び奇跡が起こる。折り返し電話が掛かってきたのだ!
「もしもし、飯島です。仕事で遅くなっちゃって……」
「…………」
 長い沈黙。
「あれ!? 博士さんですよね?」
「ち、ちがいます!」
 親しげに話す彼女の声に動揺したボクは、思わず電話をガチャンッと叩き切ってしまった。
 ジ・エンド!
 行き当たりばったりの出来事とはいえ、小心者芸人のメルヘンチックな、実によくできたオチだった。

博士:これも最近、何回も言ってるんだけど、『ムラっとびんびんテレビ』で、高橋しょう子っていう、セクシー女優と共演してて、もし高橋しょう子と浮気童貞を破れるんだったらいいんじゃない? っていうのを、カミさんに相談したのね。高橋しょう子のAVのDVDを見せながら(笑)

町山:これだったらいいでしょ、これだったら許すでしょ、みたいな?

博士:「この娘、こんなに綺麗なんだよ!」って言って。

町山:それバーンって殴られて終わりでしょ。

博士:いや、違う、違う。カミさんに「パパ、これだったらいい!」って言われたんだよ。

町山:え、言われたの? 「これだったら私しょうがないわ~」って。すごいなそれ!(笑)

博士:ボクが、いろんなところで、浮気童貞、浮気童貞っていうのが迷惑なんだって。カミさんがやらしてないみたいに言われるのがイヤなんだって。「いいよ! いいよ、こんな娘だったら」って。
で、渋谷のロフトでやった吉田豪の生誕祭でも言ってたんだけど、具体的には吉田豪とコンバットRECに止められたんだけどさ。DMで、高橋しょう子さんと会話したときのドキドキドキっていうのがすごかった。

町山:それが一番いいかもよ。それ以上しない方がいいかもしんない。

博士:もちろん、結果的に「やってない」から今、言ってるんだけど……。
で、今年の都知事選にカミさんと一緒に行ったときに、投票で入れる相手がいないわけですよ、右も左も駄目。小池とか。鳥越とか、全部駄目でしょ。それで、その時に頭の中は「高橋しょう子に入れたい、入れたい」とずーーっと思ってたから、そしたら候補者の名簿に「高橋しょうご」って奴がいたんですよ。若いやつ。そんで「高橋しょうご」って思わず書いて、カミさんの前で「俺、高橋しょうごに入れる!」って。

町山:「ねえ、入れてもいい? 入れちゃうよ」とか言いながら。ハハハ。

博士:わー! 俺、高橋しょうごに入れてるー!!

町山:「ああ、入ってるー」とか言いながら。 アハハハ。2人して頭おかしい(笑)。でもね、こういうバカなことしてた方がいいでしょ。

博士:うん。楽しい。こういうくだらない話が一番いい。
橋下徹の生放送降板事件の、本当は2週間前、町山さんがMXテレビにゲストで来たときに、コメディ映画の特集をしたの。で、喜劇俳優のサシャ・バロン・コーエンを紹介してね。『藝人春秋2』で週刊文春の連載の時にはサシャ・バロン・コーエンっていう人の章があったんです。単行本化した時には落ちたから分かりにくいんだけど、サシャ・バロン・コーエンっていう人は、ケンブリッジ大学卒業の超インテリなんですよ。イギリスのアカデミー賞もとるほどの、だけど、映画の中では、常にちんちん出してる。本物のね。