「東京一危険な男」に狙われた! 「彼」は迷惑系の走りだった あの時代YouTubeがあったら……|久田将義

僕は「トボけてんじゃねえよ、おい。てめえKだろうが」

Kは「うるせーと」とか「お前は何なんだよ」と応戦。

で、ついに、Kの得意の言葉が出ました。

「刺すぞ、てめえ」

ダメだこいつと思いました。もう止まりません。受話器に向かって怒鳴っていました。当時、僕も30代前半で気の短さを抑えられなかったのです。

僕「何だと、この野郎。やってみろ。久しぶりだわ、こんな頭キタの。今からテメエん家行ってやるからよ、一年ぶりくれーだよ、そんなセリフ言われたの」

K「だから刺すって言ってんじゃねーかよ」

僕「うるせっ。今から、てめえんとこ行ってやるからよ。会社に迷惑かけられねえから。辞表出すから待ってろ。確か、てめえんトコ○○市だったよな。辞めてその足で行ってやるからよ、サシで会おうじゃねえか。近くまでわざわざ行ってやるっつってんだよ。そんだけ上等切ったんだから絶対来いよ」

そんなやりとりが十分くらい続いたでしょうか。途中で一方的に切られました。もう電話はかかって来なくなったのですが、それからネットで彼の被害に遭っている人たちの掲示板を見ました。ああ、こいつはあの頃から全然変わってないんだな、そう感じました。

Youtubeがある時代だったら「最強」いや「最悪」のYouTuberなっていた可能性はあります。へずまりゅうだかよりも、怖い。何と言っても「東京一危険な男」ですから。が、彼はYouTubeに進出する事はありません。数年後、風の噂で鬼籍にはいったと聞きました。色々な人間に迷惑をかけたとは言え、1人の人の命に対しては合掌をしたいと思います。

彼の事を考えると、迷惑系YouTuberはずっと前からいましたし、今後もいなくならないのだろう、そう確信しています。(文◎久田将義)

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