紀州のドン・ファン事件で気になる「ウラの司法取引」という捜査手法|李策

事件発生から須藤容疑者逮捕までに3年という年月を要したことを考えると、捜査当局がこの間に、密売人に「ウラの司法取引」に応じさせる準備を整える時間は十分にあったと思われる。その準備とは例えば、密売人を特定して行動確認を長期にわたって行い、複数の事件で起訴・有罪に持ち込める容疑を積み上げるのだ。

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もちろん、これは推測に過ぎない。仮に警察が、今回の事件でこうした手法を用いたとしても、絶対に公表されることはない。ただ、日本の犯罪捜査の現場で「ウラの司法取引」が行われているのは、厳然たる事実なのだ。(取材・文◎李策)