あんかけチャーハンに「食べるラー油」を入れてしまった結果｜ビバ★ヒルメシッ！第6回文◎久田将義

2017年12月01日　

とうとう時代がついてきたか。

あんかけチャーハン屋を見た時そう思いました。約10年前、「マネーの虎」という番組があったのをご存知でしょうか。中小企業の社長(番組内では虎と呼ばれています)が現金を並べて、起業しようとする人・志願者の企画を聞いて、その場で投資するかしないかを決める番組です。

多くの志願者が虎に叱られて終わります。僕は一人の志願者を覚えています。番組で「天才料理人」と紹介された若者がチャーハン専門店を出したいというのです。チャーハンにアメリケンヌソースをかけたものを虎たちに出します。味は絶品だったらしいのですが、チャーハンは専門店として成り立つのか、と言われノーマネーという結果でした。

番組を見ていて、是非食べたいと思ったほどでした。しかし、チャーハン専門店がちゃんとあるではないですか。(写真1)

肉あんかけチャーハン専門店発見。

「マネーの虎」の若きチャーハン料理人はどうしているのだろう。そんな事を思いながら、店に入りました。
正確には「肉あんかけチャーハン店」なのですが、僕は店の外のメニューに「カニクリームあんかけチャーハン」という名前を発見し既にこれを食べると決めていました。あの、「アメリケンヌチャーハン」路線にあると思ったからです。

カニクリームあんかけチャーハン。見た目も良いです。

あまり時間をかけずに出てきた一皿。食べてみてすぐに結論づけました。カニリームとチャーハンは合いますね。多分、アメリケンヌソースのチャーハンもこんな食感だったのではないでしょうか。あんかけとチャーハンは相性が良いです。

チャーハンの醍醐味はパラパラ感です。が、あんかけをかけると、確かにそのパラパラがなくなるのですが、パラパラを出すのはかなり難しいと聞きます。あんかけはパラパラなチャーハンでなくても、それなりに美味しくなるという事で僕は肯定的です。

途中で味を変えたくなったので試す事に。

ある程度食べたところで味を変えてみようと思いました。テーブルに「食べるラー油」「山椒」「酢」があります。僕は唐辛子系の辛いものが苦手です。あとコーヒーも苦手です。が、なぜか苦手なものに手を出してしまうという癖があります。また食べた事がないという理由で「食べるラー油」を入れてみる事にしました。食べられる、ぐらいなのだから辛さは抑えられているに違いないと予想して、少し多めに入れてみました。

が、予想に反して「食べるラー油」はかなり辛かったです。咳き込みましたし、涙ぐみもしました。何より、クリームの甘い味を消し去ってしまい、カニクリームあんかけを頼んだ意味がなくなる事に気づきました。