契約書を交わさない業界の馴れ合いは一般社会には通用しない
今夏、山口県周防大島町で行方不明となっていた2歳の男の子を独自の捜索方法で見事短時間のうちに発見し、大きな注目を集めた尾畠春夫さん。
この注目以降、各地の災害現場でボランティア向けに用意された援助を一切断りながら精力的な活動を長年続けるスーパーボランティアとして知られる人物であることが判明すると、尾畠さんから発せられる言葉にも人々の関心は高まることに。
こうなると黙っていられないのは出版業界だ。尾畠さんの活動や言葉をまとめた書籍を我先に出版しようとするがために、トラブルが発生してしまった。
今月12日、尾畠さん初の著書となる予定だった書籍の出版が、突然「12日の発売日は延期します」として発売が延期される騒動に。
出版社側からは「尾畠さんからは『出版を希望する各社が足並みを揃えた形なら、契約する』と言われたので、尾畠さんの望まれる形にしたい」との理由が語られたが、当の尾畠さん本人からはどうも食い違う内容のコメントが聞こえてくる。
「ノンストップ!」(フジテレビ)の電話インタビューに応じた際には尾畠さんより以下のような言葉があった(要旨)。
「書籍にして知ってほしいということはない」
「黒子に徹するのが好きなので、公に出るのは好きではない」
「(出版に関し)確認の必要はないと言ったことはない」
「どこの本屋さん、出版屋さんともお約束はしていませんし、どこにも『いいですよ』ってサインも印鑑も押してません」
「どこにも出版の許可を出した覚えはない」
一方、出版社側は「数回お会いし出版の承諾を口頭で得た」「印税や契約書も不要と聞いている」「確認も不要とのことだった」「印税は寄付させて頂きたいとの話だった」としているが、やはり正式な手順を踏んでいない可能性が高いと見られており、様々な声が寄せられている。
「この人、こんなことしたくてボランティアやってるわけじゃない。ほっといてあげてほしい」
「有名になった人が居ると、すぐに金儲けに担ぎ出そうとする出版社」
「尾畠さんが嘘を言ってる? 勘違いしてる? そうとは思えない」
「気の毒意外の、なにものでもないですね。心から人助けをしているだけなのに...」
「尾畠さんの生き様は知りたい」
「趣味は? って聞かれて女好きですって答えててワロタ」
「講演依頼もボランティアに行く時間が無くなると、断る人間なのだから、本人が書く時間あるとは思えない」
勘違いや行き違いなのではとする声もあるが、やはり尾畠さんの言葉に人々は真実を見出している様子。
複数回対面していながらも契約手続きを踏んでいなかった出版社の言い分に支持が集まらないのも当然の流れか。(文◎編集部)
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