中国では、いわゆる正月というのは春節と呼ばれる旧暦の正月だ。西暦の年末が近づいても日本のように師が走るなんてことはない。
とはいえ、ただひとつ、中国の人たちを年末にそわそわさせる理由がある。例年、12月の初めに翌年の祝日をどう休むかが発表されるのだ。つまり中国では、休暇の休み方が毎年異なり、それを国が決めている。
中国の祝日は現状では、春節が3日、国慶節(10月1日の建国記念日)が2日、清明節、労働節、端午節、中秋節などがそれぞれ1日だが、どの祝日も単独で休むことはない。前後の土日に出勤するなどして休暇を祝日寄りにし、7連休、5連休、最低でも3連休とする。だからこそ、毎年のカレンダーに応じてどう休むかを政府が決めることになる。
中国が連休にこだわるのにはわけがある。
連休にすれば人々は旅行に行ったり、買い物に行ったりして消費する。その経済効果を狙っているからこそ、毎年面倒な作業をやっているのだ。だが、国民が豊かになればなるほど、観光地はどこも黒山の人だかりになり、交通は滞り、ほんとうにこのままでいいのかという声が上がっているのも確かなのだ。
そのせいなのかどうか。先日、毎年の休暇を決めている国務院の部署が、来年の休暇をどう休むか、3つのプランを提示し、国民の意見を募ると発表した。いずれのプランも春節に関してはこれまで通り7日休む計画だが、国慶節は日程をまったく調整しない3日間、1回分の土日だけを出勤にして必ず5日間休むパターン、7日間休むパターンがあり、その他の休暇に関しては、基本的に単独1日として休むパターンと、土日と合わせて3日間休むパターンが用意されている。
この問題はあっという間に広がり、中国版ツイッター『微博』などで議論されているが、いまのところ希望者が一番多いのは休暇が長いパターンのようだ。できるだけ長く遊んでいたいという気持ちはわからないでもないが、その分、6日も7日も連続で勤務しなければならないこともある。土日に出勤しても、休暇前ならワクワクして仕事が手に就かず、休暇後ならクタクタで仕事が進まず、結局は生産性があがらないケースも少なくないはず。
最終的にどんな意見が集まり、政府はどんな決断を下すのか。中国が2014年をどう休むのか、しばらく目が離せない。
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Written by 劉雲
Photo by Diez Photography
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