タイ・カオサンで観光の目玉である屋台・露天が時間規制 じわりじわりと忍び寄る「24時間禁止」の恐怖

2018年08月08日 24時間禁止 カオサン タイ 屋台 観光の目玉 露天

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カオサン通りの様子


 世界中からバックパッカーが集まるタイ・バンコクのゲストハウス街カオサン通りで、8月1日から屋台・露店の出店が規制されました。

 これはバンコク都の方針によるもので、今まで歩道上で営業していた屋台・露店の出店を24時間禁止にし、月曜日以外の18:00-24:00の時間帯だけ歩行者天国にした路上にのみ出店を許可することになりました。しかし1日にバンコク都がカオサン通りの大掃除を実施する中、この規制に猛反対の一部屋台主は無視して歩道上で営業を続ける事態に。

 そこでバンコク都と屋台主団体の間で7日に再度協議が持たれ、歩道上での営業を18:00-24:00の時間帯でとりあえず7日間認めることで折り合いが付きました。ただしそれ以外の時間帯の営業は禁止、屋台の幅は1.5メートルに制限し、1人につき1つの屋台のみ許可という条件付きです。しかしこれも恐らく当面の措置で最終的には歩道上は禁止になると思われます。


2018/8/7 業者と協議の結果、8/7から歩道上で18:00-24:00に週7日営業認めることに。ただしそれ以外の時間帯は禁止。屋台の幅は1.5mに制限し、1人につき1つの屋台のみ許可(外部サイトへジャンプします)。
https://www.matichon.co.th/local/quality-life/news_1074434


 それというのもカオサン通りだけでなく、バンコク全体で歩道上の屋台・露店が規制され、どんどん姿を消していっているからです。

 今までバンコクの魅力の一つとなってきた屋台・露店は、低所得層が収入を得る受け皿として機能し、食費を安く上げたい市民に利用されてきました。またひっきりなしに食べ物を口にするタイ人の習慣にも合っていたため、実は路上での商品販売を禁じる法律があるにもかかわらず、バンコク都は規制緩和区域を設けるなどで大目に見てきました。

 それでも昨今のバンコクの発展で人口も建物も自動車も増えたことで、屋台・露店が通行の妨げになることや不衛生なことから都に苦情が寄せられるようになりました。主要区域数か所では規制を実施しましたが、場所・屋台設備の貸し出しにマフィアや当局職員が絡んでいるケースがあることなどが規制区域拡大を困難にしていました。

 状況が変わったのは2014年5月に軍がクーデターを起こし政権を掌握してからでした。
「国民に幸福を取り戻す」をスローガンにした軍政は、違法なドラッグ・カジノ・森林伐採の取り締まり、バンコク都内の乗合バン乗り場強制移転など、今まで言わばアンタッチャブルだった分野に矢継ぎ早にメスを入れ始めたのです。

 バンコク都内の歩道上屋台・露店禁止もその一つです。軍政から委任されたバンコク都が2014年7月からラチャダムヌン通り一帯を皮切りに歩道上での屋台・露店営業を24時間一切禁止にする措置を区域ごとに警察・軍の協力の元、シラミ潰しに現在まで地道に進めています。

 とは言っても高圧的ではなく、その区域の屋台主団体側と協議を重ね、反対がある場合には段階的に規制をして最終的に一切禁止にするという時間のかかる対応を取っています。屋台主には移転先の市場やスペースも斡旋し、3か月は賃料無料にするなど、対立が先鋭化しないよう腐心している様子が窺えます。

 それでも夜に花市場が開くことで有名だったパーククローンタラートでは、規制開始初日の2016年7月1日夜に不服な露店主らによって道路上に大量の花束が投げ込まれ道路封鎖されたり、サイアムスクエアのサイアムパラゴン向かいの露店街も同年8月1日で禁止になって以降いまだに時々違反して出店を試みるなど、一部では対立が起きています。

 このように屋台・露店24時間全面禁止措置が取られる中、例外なのがカオサン通りと中華街ヤワラートの2か所です。ストリートフードを観光の目玉にしたかった観光・スポーツ省の要望があってのことだと推測されますが、外国人観光客に人気の屋台街としてこの2か所だけは時間帯の規制と衛生上の指導はあるにせよ残していく方針のようです。

 ヤワラートへの規制はまだですが、そのうち営業時間帯が制限されるのは避けられないでしょう。

 なお2015年6月15日からバンコク都内で月曜日の屋台・露店営業が例外なく全面禁止になっています。以前も同様の措置が取られていたのが2013年7月1日から解除になっていたものを再開したかたちです。

 思い起こせば日本でも路上の屋台をすっかり見かけなくなりました。衛生面への配慮も含めて発展するということはそういうことなのかもしれません。淋しくもありますが、時代の趨勢です。バンコクという都市の新たな魅力を探したほうがいいのかもしれません。(取材・文◎赤熊賢)

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