05年に韓国に応援団として参加した金正恩の妻・李雪主。
平昌五輪に北朝鮮から応援団が派遣されることが決まった。日本では「美女軍団」と呼ばれる彼女たちだ。
これまで韓国に美女応援団が派遣されたのは、2002年、03年、05年の3回。2005年には金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妻であり、当時学生だった李雪主(リ・ソルジュ)が参加していたことが知られている。
日韓のメディアが注目する彼女たちだが、いったいどのように選ばれているのだろうか。
筆者が平壌を取材した際、たまたま応援団に関する話を聞いたことがある。当時、外国語大学の大学院生が取材陣の通訳を手伝っていたのだが、彼女に冗談めかしてこう言ってみたのだ。
「少し前、南朝鮮に派遣された応援団には入らなかったの?」
以下は当時のやりとりだ。
院生「同級生が行きましたよ」
私「あなたもなかなかの美人だから行けばよかったのに」
院生「誰でも行けるわけではないから......」
私「どういう人が行くの?」
院生「基本的には音楽団や舞踊団に所属した人と、大学生ですね。大学生はオーディションを受けるんです」
私「外国語大学の学生もオーディション受けたりするのね。あなたはオーディションを受けなかったの?」
すると、彼女は少し気を悪くした様子でこういった。
「音楽や舞踊を専攻する学生ならともかく、普通の大学生でオーディションを受ける子は、顔に自信があったり、見た目ばかりを気にするような子なんですよ」
日本からの取材陣に同行するほどなので、彼女は勉強熱心で優秀な院生だったのだろう。そういう人とは一緒にされたくない、といった口調だった。また、オーディションでは身長の基準もあるので、自分では少し背が足りないとも話していた。
脱北者で現在、韓国に住む元女優のハン・ソヒはこの応援団に所属した経験を持つ。彼女が韓国メディアに語った美女応援団の資格を整理するとこうだ。
①出身成分がよくないといけない。北朝鮮では親や祖父母の身分を「出身成分」と表現する。
②平壌に住む10~20代の芸術団体や大学生から選ばれる。
③芸や見た目だけでなく、忠誠心が強く、普段の行いがよくなければならない。
④身長は160㎝ほど。
選抜されると合宿を行い、演奏や応援の練習のほか、韓国内でのふるまいについて指導されるという。
文◎李ソヨン
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