【試験に出る】にんじん1本が1,500円!? いかに国民が苦しんでいるかを表す「悲惨指数(ミザリー・インデックス)」【統計データシリーズ】

2018年01月19日 

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物価や金利などのさまざまな経済的な要因を数値化したものが経済指標です。「国内総生産(GDP)」や「消費者物価指数(CPI)」はよく目にするので知っている人も多いと思いますが、なかには思わず「?」となってしまう指数もあるのです。

その代表的なものといえば、イギリスの経済専門誌『エコノミスト』が考案した「ビックマック指数」でしょう。同一の原材料で作られている商品の価格差を比較することで、世界各国の購買力(通貨の価値)がわかるという理論。似たものにスターバックスのトール・ラテを基準とした「トール・ラテ指数」やアップルのiPodを基準とした「iPod指数」なんてものもあります。

そして、名前のインパクトがハンパない指数といえば、「悲惨指数(ミザリー・インデックス)」です。その救いのない語感からは、もう"包丁を手にするぽっちゃりさん"しか想像できません。

しかし、この「悲惨指数」の内容は至極まじめなもので、インフレ率と失業率の絶対数を足した数値であり、この数値が高ければ高いほど国民生活が困窮していることになります。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表した「悲惨指数2016」では、ベネズエラが「573.4」という数字でぶっちぎりの1位。2位のアルゼンチンが「83.8」ですから、ベネズエラ国民の"悲惨さ"はちょっと想像できないレベルです。同国のハイパーインフレ(年720%と言われる)はよくメディアで報じられていますが、2017年にはにんじん1本が1500円、輸入紙おむつが約1万という、とんでもない価格にまで上昇。デモは起こるわ、国外脱出する人は後を絶たないわで、いまも混迷が続いています。

また、下位(幸福度が高い)の国としては59位が日本でトップ、次点の58位が中国、57位がタイと続いています。57位のタイは近年めざましく成長している国ですが、それでも欧米の経済大国を押し退けてのランクインは意外のひとこと。タイが"微笑みの国"と言われている理由が分かる気がしますね。


取材・文◎百園雷太


順位 国 悲惨指数
1 ベネズエラ 573.4
2 アルゼンチン 83.8
3 ブラジル 75
4 南アフリカ 44.9
5 エジプト 43.9
6 ウクライナ 36
7 アゼルバイジャン 35.9
8 トルコ 30.7
9 イラン 29.3
10 コロンビア 28.7
11 ギリシャ 28.1
12 ロシア 27.4
13 アルジェリア 24.2
14 カザフスタン 24.1
15 サウジアラビア 23
16 ペルー 22.1
17 スペイン 19.1
18 エクアドル 18.4
19 インドネシア 17.5
20 インドネシア 17.1
21 ポルトガル 15.5
22 スリランカ 14.8
23 イタリア 14.7
24 パキスタン 14.4
25 チリ 14.4
26 メキシコ 12.5
27 ベルギー 11.8
28 ブルガリア 11.7
29 ポーランド 11.5
30 カナダ 11.3
31 フランス 11.3
32 オーストラリア 11.1
33 フィンランド 10.9
34 イギリス 10
35 香港 10
36 ノルウェイ 9.8
37 フィリピン 9.6
38 ニュージーランド 9.4
39 アメリカ 9.4
40 ベトナム 9.3
41 スロバキア 9.2
42 チェコ 8.7
43 アイルランド 8.6
44 スウェーデン 8.4
45 オーストリア 7.9
46 デンマーク 7.8
47 シンガポール 7.6
48 台湾 7.1
49 イスラエル 6.8
50 ルーマニア 6.4
51 オランダ 6.3
52 ハンガリー 6.2
53 マレーシア 5.9
54 ドイツ 5.5
55 スイス 5.5
56 韓国 5.5
57 タイ 4.9
58 中国 4.5
59 日本 0.4

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