日本レスリング協会の栄強化本部長が、国民栄誉賞受賞の伊調馨手にパワハラを繰り返していたという告発状が内閣府に届けられ、スポーツ界での体質が改めて注目されています。
ネットでは「パワハラなんてコーチ失格」などと非難する声が多数を占める一方、ワイドショーなどでは本部長の熱意ある人柄などを取り上げ、
「選手への強い思いからつい暴走したのかも」
などといった、加害者を擁護する発言もみられるようです。ここでは、パワハラとは何かに焦点を当ててみましょう。
スポーツ界だけでなく、日本中、至る所でパワハラは起きています。企業では上司から部下へのパワハラはよく聞かれますし、自衛隊でもいじめやパワハラが蔓延していると、ジャーナリスト三宅勝久氏らが何度も取り上げています。
さらに教育現場でも、教師から児童や生徒への度を超えた指導によって自殺にまで追いやられるケースがいくつも起きています。これは「指導死」と呼ばれ、ジャーナリスト奈良林和子氏らによって追求が続けられています。
パワハラを擁護する人々は、「愛情からの行為で悪意はない」「相手への思いが誤解された」などと、あくまで善意によるもの、悪気はないと強調するケースが目立ちます。
が、愛情があれば、悪気がなければ、何をしてもいいわけではないのは当然です。セクハラやパワハラについて、日本は、特に現場は、加害者に対してまだまだ甘いと思われます。
また、これもよく見かける「被害者への非難」。傷ついている者にさらに罵声を浴びせるなど、冗談ではありません。弱い者や傷ついた者をさらに痛めつけるなど、それこそ日本全体にはびこる闇そのものです。(文◎編集部)
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