数々の修羅場を潜り抜けてきた色男のヤクザが、うら若き女性警官を意のままに操ることなど造作もないことだったかもしれません。
新宿署の女性巡査・T子(23)が書類送検されたのは、3月19日のことです。容疑は交際していた住吉会系暴力団組員・X氏(32)に対し、捜査情報を漏らした情報漏洩の疑い。T子には停職6カ月の懲戒処分が言い渡され、彼女は現在退職しています。
「2人の出会いは17年夏。T子はもともと同署の留置管理課に所属していましたが、(暴力団捜査を担当する)組織犯罪対策課への異動を希望し、昨夏から同課で『見習い』として研修を受けていたのです」(捜査関係者)
そんなT子の目の前に突如現れたのが、住吉会の二次団体Kの中でも「ナンバー1、2を争うほどの超イケメン」(暴力団関係者)と称されるX氏だったのです。その日、X氏はある事件に関する事情聴取を受けていました。
「一目惚れしたのはT子の方だった。彼女は10月下旬、彼の携帯に連絡を入れ、11月下旬に肉体関係を持ったと供述しているようです」(同前)
ところが、心身ともにX氏に入れ込んだT子は、すでにX氏が張り巡らせた"罠"にハマっていたのです。
「昨年12月、T子は『俺の捜査がどこまで進んでいるか、調べてくれ』とX氏からお願いされたといいます。悩んだ挙げ句、T子は捜査情報を調べ、こっそりとX氏に内通してしまった。さらに、彼女は彼の求めに応じて100万円の現金を貸していたといいます。惚れた弱みか、あるいは(暴力団関係者との交際を禁止している)職務規定違反が発覚することを恐れたのか、されるがままに操られていたのです」(同前)
T子はX氏に尽くした結果、警察官としての輝かしい将来を失ったのです。
「彼女の父親は警視庁生活安全部生活経済課の警部。いわば同課のノンキャリアのエースでした。事件後、父親は周囲に平謝りしていたといいます」(社会部記者)
実は、この"椿事"には後日談があります。
「先日、X氏は懲役刑を受け、現在は収監されているといいます。でも、T子は『まだ彼のことが忘れられない』と周囲に漏らしているというのです」(別の捜査関係者)
官能小説さながらの禁断の恋は、まだ終わっていなかったのです。(取材・文◎編集部)

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