警視職員の不祥事は今に始まったことではありません。警視庁町田署が高井戸署地域課巡査を詐欺容疑で逮捕したのは2月28日のこと。巡査は落とし物の現金28万円を「自分のものだ」と偽り、騙し取ったというのです。逮捕後、巡査は容疑を認め、「業務用端末で(落とし物の)情報を把握した」と供述しているといいます。
「騙し取ったのは町田署で拾得物として保管中の現金28万円ですが、後日、神奈川県内の50代男性が『現金を落とした』と申告。そのため同署が改めて巡査に確認したところ、『虚偽の申告をして騙し取りました』と自供したのです」(捜査関係者)
善良な市民の落とし物を金欲しさに騙し取るなど、開いた口が塞がりません。「警察とカネ」に関して言えば、昨年末、警察庁のキャリア官僚が30代の女性と不倫関係に陥り、飲食費を負担させていたとして停職1ヵ月の懲戒処分を下したばかりです。
「そのキャリア官僚がグッズ販売会社役員の30代女性と知り合ったのは、彼が警視庁交通総務課長だった当時。彼は女性と不倫関係に陥った後、彼女の会社が交通関連グッズを警視庁に卸せるよう便宜を図っていたのです。女性の会社には警視庁から多額のお金が振り込まれており、利益供与を疑われるような関係だった。これこそ不可解な官民の癒着ですよ」(同前)
実は、そんなことは氷山の一角です。現場レベルでは、想像もつかないことが起こっているのです。いまだ明るみに出ていない「事件」について明かすのは、別の捜査関係者です。
「いま警察内部の調査対象となっているのは、錦糸町や両国などを管轄する本所署の暴力団担当の刑事A。Aは暴力団担当として名が知られる存在ですが、懇意にしている暴力団関係者から多額の金を借り受け、そのお金を別の関係者に貸し付けるなど『闇金業』のようなことをしており、署内で問題になっているのです」
清濁併せ呑むのが優秀なマル暴刑事ですが、法に触れる行為をしていれば、それは警察もとい『国営暴力団』。現在、Aの事件については警視庁記者クラブの担当記者たちが裏取り取材を行っており、近日事実が明らかになることでしょう。(取材・文◎中山桃子)
【関連記事】
●恐喝に来たヤクザに「領収証ください!」......裏社会に学ぶ謝罪の仕方|久田将義
●「金箔を塗って私と性交を5回しなさい。じゃないと死ぬ」 儀式だと言って女性をホテルに連れ込んだ僧侶